２９６：到着 〜J〜 ページ16
福岡の１日目が終わりホテルに移動した。
「俺、A来てから行くから先始めてて？」
そう翔くんに頼んで部屋でAを待った。
無事に空港には着いたらしく、そうメールを受信して…今か今かとAを待つ。
なんとなく落ち着かなくて部屋をウロウロしてみたり…。
意味もなくスマホのホームボタン押してみたり…。
そんな事を繰り返してると、手の中で震えるスマホ。
「はい。」
ーふふふ。出るの早い。
「待ちわびてたからな。」
話しながら足早にドアに向かう。
解錠をしてドアを開けるとスマホを耳に当てたままのAと目が合う。
電話を切りながらドアの中に向かい入れて、ドアが閉まったと同時に抱きしめた。
「…会いたかった。」
「大袈裟ねぇ。今朝も一緒だったじゃない。」
『クスクス』笑う俺より余裕なAを少し恨めしく思ったり…。
「潤くん？ご飯行くんでしょ？」
抱きしめて動かない俺の背中をポンポンってする。
「あぁ。行きたくねぇな…。」
「我儘言わないの。ちゃんとここで待ってるから。」
「うん…んじゃキスして？」
額と額をくっつけてジッとAの目を見ておねだり。
「どうしてそうなるかな？」
「俺が欲しいから？」
するよりされたい…そんな気分。
「もぉ〜しょうがないなぁ。」
チュッと可愛いキスをもらい目を開くと、柔らかく微笑むA。
「かわい。」
俺もチュッとして荷物だけその場に残しAを抱き上げた。
「ちょ、ちょっと！潤くん！」
「もうちょっとキスさせてよ。」
ベットの上にAを下ろして、その上に跨った。
「起きてるAとキスしたい。」
挨拶程度のキスばっかだったし。
「ダメ！ご飯から帰って来たら！」
「…起きててくれる？」
「起きてるよ。待ってる。」
それなら…
…この程度のキスで我慢するよ。
Aの頬に手を添えて唇を押し付けた。
角度を何度も変えて、Aの唇を挟む様に口付ける。
チュッて音と共に離れた唇。
「もぉ！全然わかってないじゃん！」
「どこが？すげぇ我慢したよ？舌入れてねぇ『バカ！変態！』」
俺の肩をポンポン叩いて。
「もぉ！寝る！起きて待ってない！」
俺の下から上手く逃げ出して、隣のベットの布団に潜り込んだ。
んとに…いちいち可愛いんだもんなぁ。
ずりぃよ。
「A？Aちゃん？出ておいで？」
俺も隣に移動してベットの淵に座り、大きな塊をポンポンッとした。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年12月21日 16時
