２１１：ニキビ ページ11
きっと…たとえ右手でも、私がコレをする事が潤くんの安心に繋がるんだって思った。
潤くんは『大丈夫』だと言うけど、自惚れなんかじゃなくて私なんかよりも、潤くんのが不安がいっぱいで。
だって…私が逆の立場ならそうだから…。
潤くんの不安を少しでもなくしたくて、色々してみたけど…。
潤くんは私の前では、そういうの見せたがらないない人だから…不安が和らいでるのかもわからなくて。
「…重い？」
「ん〜…もう慣れたかな。」
身体を重ねた後は、潤くんが私を仰向けにした自分の上に乗せて、抱きしめながら頭を撫でてくれる。
潤くんの胸に左耳と頬をくっつけて、視線の先のハートを見る。
「…可愛い。…潤くんてハート好きなの？」
「ん〜…そうでもねぇけど…そこのブランドってそれがシンボルデザインじゃねぇの？」
「…だね。」
「よっと。」
私を抱きしめたままゴロンと横向きになる。
潤くんの左側が私の定位置。
「さて…そろそろ寝ましょうか？」
「うん。」
「んじゃ…。」
チュッとおやすみのキスが落ちてきて、潤くんの胸に擦り寄ると、額に潤くんの唇がくっつく。
「おやすみ…A。」
「…おやすみ。」
潤くんの心地よい体温と…
頭を撫でてくれる優しい手…
額の唇から伝わる愛情…。
それらによって、私は直ぐに夢の世界に追いやられるんだ…。
・・・ん〜…額に感じる唇の柔らかい感触。
潤くんの匂い…ぬくもりを感じ薄っすら目を開ける。
「…おはよ、A。」
その言葉と同時にキスが落ちてきて。
「ふふ、今日は潤くん観察できなかったな。」
「観察してまだ新しい発見あんのか？」
「あるよ？『あ！ココにニキビ』とか？」
眉間をトントンとする。
「え？マジ？」
慌てて額を触ってる。
「あ〜…マジだ。」
「アイドルさんは大変ね？」
「もうストレスねぇはずなんだけどなぁ。」
ニキビを気にしながら、『なんでだろ？』って感じで言ってる。
「いい洗顔あるよ？」
「あぁ…貸して？」
「うん。」
「潤くん今日は？」
「１１時から。帰宅は２４時頃って昨日言わなかったか？」
じとっと私を見下ろす。
「あ、だっけ？毎日不規則で…忘れちゃう。」
『はぁ』っと大袈裟なため息が頭上で聞こえて。
「今日は私が先だね？」
「あぁ。夜も先寝てていいから。」
「うん。けど『わかってる。』」
「ちゃんと抱いて寝てやるから。」
「ふふふ。うん。」
頷く私に潤くんの柔らかい微笑みが返ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 426人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2013年11月7日 8時
