１５０：抱き枕 〜ニノ〜 ページ30
もぉさ？
何なの？何なのさ？！
このバカップル。
照れたAさんは、Jの首筋に逆戻り…。
「んだよ。邪魔すんな。」
「JはTPOって言葉知りません？」
「あぁ。知らね。」
あぁ〜そうですか。
「A？ついでだから本人に聞いてみれば？『ヤキモチ妬いて欲しいの？』って。」
「まどか？！」
あ、顔上げた。
「A？どういう事？」
Jが聞くと、気まずそうに視線をずらす。
「あの…Aは今日初めて映画の内容知ったっていうか…。」
明日美が言いずらそうに代弁する。
「…Aはどう思ったの？」
「ん？まだ全部は読んでないけど…お仕事だし…って。」
「ちょっともイヤじゃない？俺だったら…すげぇイヤだ。」
おいおい。
それをお前が言うか？
どう考えてもお前のが我慢させてんだろうが。
「…ん…ちょっと…だけ…ね？」
「…よかった。」
いいのか？『よかった』のか？
でも、すっげぇ嬉しそうなJの顔を見たら…いいんだろうなって思うしかない。
「大丈夫だよ？Aにするキスとは全然違うし。」
「ん？」
「いっつもさ？Aには『大好き』って気持ち込めてるから。」
「うん。ちゃんと伝わってるよ？」
「だろ？」
にっこり笑い合うバカップル。
あの〜帰ってもいいですか？
…おっさん寝てるし！
まどかさんは呆れを通り越し、いないもんだと思って酒を煽りタバコをふかしてる。
明日美は…何？その羨ましそうな顔。
肘で脇腹をトンとすると、ハッとして俺の顔を見る。
明日美さんの目と目で会話をしていると『チュッ』て音…。
…しちゃったのね…我慢できなかったのね…。
「…かわい。」
もうどうぞご勝手に…。
「なぁ？連れて帰っても…い？」
「着替え…。」
「俺んちに置いてあんじゃん。」
「そうだけど…。」
「なぁ〜いいだろ？」
甘えた声で…Aさんの額に頬を寄せて…。
「んじゃ、俺がAんちに行く。」
「そうする？メイク道具もうちだし。狭いけど…。」
「いいよ。狭いベットの方がくっつける。」
「潤くんのベットでもくっついてるじゃない。私、完璧抱き枕だし。」
「だな。お前、すっげぇ抱き心地がいいんだよ。」
もう…無理…。
ニノちゃんもね？
悪い事しちゃったなって思ったし、Aさんに助けられたし？
あの状態のAさんを救ったのはJで。
だから！
我慢したけど…もう無理！限界！
「明日美、帰『A、帰るぞ。』」
挨拶もそこそこに帰ってったバカップルを唖然と見送った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年10月5日 16時
