恋する理由【Nino】 (ページ8)

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8:さする手ページ8

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和「ったく・・・忙しい奴だな(笑)」

はいつくばって吐いてる私の背中を、ゆっくりさすってくれる。

和「泣いたり、怒ったり。そんで？今度は・・・吐いたり(笑)？」

苦しくてえづく私の背中を、急にカズがつまむ。

急に楽になる体に、ほっとしながらその理由に慌てた。

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「いっ・・いまはずしたっ？//」

和「んなホック外したくらいで興奮すんなや」

「だ、だって慣れた手つきで・・・」

和「慣れてねぇしっ(笑)・・・さするとき邪魔なだけ。ほら吐けさっさと」

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一気に楽になる体に、吐き気が収まると同時に

ぽろぽろとまた涙が出た。

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ナオトも、あの女が酔っぱらったときこうやって介抱したのかな。

やさしく何度も背中をさすったのかな。

飲み会なんて、行かないでって言えばよかった。

あの夜から二人は始まったんだと、聞かなきゃよかった。

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和「・・・泣いたって、どうしようもないでしょうよ」

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だって勝手にでるんだもん。

悲しくて、苦しくて

なのに

暖かくて、切なくて。

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和「吐いたぐらいで呆れたりしてねぇからさ(笑)
気にすんな」

「消えちゃいたい・・・」

和「どうやってよ」

「わがっ・・ないけど・・・だって、彼に捨てられて・・・仕事辞めて・・・
酔っぱらってたら知らない男に拾われて・・・しかもそれがアイドルってなに？」

和「なんかすげぇお姫様ストーリーじゃん！」

「え・・・？どこが？」

和「俺みたいなキラッキラのアイドルと暮らせんだぜ？最高でしょ」

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「・・・・・はいそーですね」

和「おもっきり棒読みしやがったな、今」

「お水もらえる？」

和「しかもシカト・・・。水なんか自分でとってこいよ」

「アイドルが優しくない(泣)」

和「営業時間終わったんですぅー」

「えええウソでしょ。なにそれサイテー」

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チッ

軽い舌打ちの後に

和「時間外サービスだからな」

かったるそうに立ち上がって、結局水をとりに歩いて行った。

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