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「この子、マンチカンだよな?」
「そうだよーよく分かったね!大ちゃん猫詳しいのぉ?」
午後のお客さんは3時半に来るから、それまでゆっくりしてていいよって言葉に甘えて、ずっと監視の目が向けられても気にせず、けいさんとの会話をただただ楽しむだけ。
一緒にいるだけで癒されるような、ほんわかしてる感じ…
「どうせ涼介に聞いたでしょ?アピールするために」
「おい、なに人聞きの悪いこと言ってんだよ!!…まぁ、違くはないけど…」
「否定しないんかい!」
知念とのくだらないやり取りをパソコンをいじりつつ聞いてるけいさんは知らない名前に反応したらしく、「りょーすけ…?」ってこっち見て首を少し傾げた。
やばい、やばいって…
今の上目遣いの攻撃力超高けぇ…
「涼介って大貴の同僚ね、洋食屋のほうの」
「へぇ〜その子も猫好きなの?」会ってみたいな〜ネコ友欲しいな〜ってけいさんの意外すぎる発言に、なぜか知念が「涼介なら会ってもいいよ」と、謎の許可を出した。
そんなこと!あってたまるか!!
今けいさんをそいつらに会わせたら絶対ろくなことにならないって!!
「違う違う、山田はバリバリの犬派だから!まあ動物全般好きっていうか…猫を研究したのは光にちょっかい出すためだよ」
「何?ひか猫苦手なの?」知念はニヤリと笑った。「面白いこと聞いた…」
「いや猫攻撃はマジやめた方がいい!キレたら超怖いよ!」
こないだ山田と冗談のつもりで光の携帯を盗み出し野良猫たちの写真を撮りまくって、さらに待ち受けも勝手に猫の画像にしたら、普段穏やかであまり怒ることのないシェフがぶちキレて、“お前らクビだ!!”って怒鳴られた。
真剣に謝罪したらなんとかクビを免れたけど、二週間も賄いがカップ麺だったのが辛かった…
そんなふざけた事件を話したら知念に鼻で笑われた。
「そんなことやって大貴も涼介もマジでバカだろう?あなた達クビにしなかったひかが優しすぎるよ」
「だってそこまで猫嫌いってのが知らなかったし…あっ、また知らない名前ばかり出てきたよね?」さっきまで時々返事してくれるけど急に無口になったけいさんに目をやると、タイピングしてた手が止まって俯いてる。「ひかってうちのシェフのことね、光くんっていうの。猫嫌いだけど料理の腕はめっちゃいいから今度ぜひたべに「いのちゃん?」
話してる途中で遮る知念の声にハッと反応して、「…んぇ?」と頭をあげた。
…なぜか虚ろな目をしている。
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yoku(プロフ) - ずみさん» 温かいお言葉をありがとうございます!涙出るほど嬉しいです(;_;)メンバーそれぞれの個性に沿って、言いそうな台詞を考えるのが個人的に楽しいです(笑)いつも亀更新で本当に申し訳ありませんが、これからも楽しんでいただけますように頑張ります:) (2021年6月7日 22時) (レス) id: df50adfb63 (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - どんな人物も個性溢れる長編ですし、ストーリーもとても面白いです。読めば読むほど夢中になって、もらい泣きでもする寸前でした。素敵な作品をありがとうございました! (2021年6月5日 23時) (レス) id: 88ff7ddfb4 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - みーさん» ま、まさかフォローしてるライターさんからコメント頂けるとは…!とっても励みになります!ありがとうございます!みーさんの作品をいつも拝読させていただいてますのでみーさんも頑張ってください:) (2021年6月4日 23時) (レス) id: d95cf3f703 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 切なくて毎回泣きそうになりながら読んでます。素敵なお話をありがとうございます。更新楽しみにしてます。 (2021年6月3日 22時) (レス) id: 163ee9ceaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yoku | 作成日時:2020年1月5日 0時