*尋問タイム ページ3
何で私は連れてこられたんでしょうか。
その質問だけが頭をグルグルと駆け回る。
でもどうせ真選組の屯所に行こうとしていたのだから結果オーライだ。多分。
「そこに座れ」
素直に着席すると、私を連行してきた、何やら怖そうな人が向かい側に座った。こりゃ尋問する気だな。
静かにため息をついた。だる。
目の前に座ったその男の人と目が合う。すると、怖そうな人は口をあんぐりと開けた。
顎外れそうだなとか、私の口に唐揚げのカスでもついているのかな、いやそんなことある?とかいうバカっぽい考えが浮かんでは消えていく。
「お前……女か?」
第一声がそれですか。
「そうですけど?」
「……」
「気づかなかったんですか」
「……」
「あの」
「……あ」
我にかえった男の人は、煙草に火をつけた。
早くするならしてくれないかな。尋問。
始まらないならこっちから始めますけどね。怖い人さん。
「何で私は連れてこられたんですか」
「質問すんのはこっちだ。正直に答えろ。まず、名前と年齢」
この人、有無を言わさない感じだ。人使いとか荒そう。いや、きっと荒い。
「……AA、二十一歳」
「んじゃ次、廃刀令っつーのは知ってるか」
「何ですかそれ」
はいとーれい? 何じゃそりゃ。
「本当に知らないのか?」
相手の目が鋭く光った。
「は、はい、全く」
眼光にビビりながら頷く。
「まあ、簡単に言ったら、許可が出てるやつ以外は刀を持つな、みてェなもんだ」
「なるほど」
だったら私どうなるんだよ。……定食屋のおっさん、何で言ってくれなかったんだよ。
なるほど、と冷静そうにしているが、頭の中は大変なことになっていた。
「つまりは帯刀禁止ってことだな。刀さしてたら奉行所とか真選組とかに捕まる。今のお前みたいに」
……私捕まったんかい。
さっきから脳内は暴れっぱなしだけど、とりあえずそれはガン無視するしかない。
「へえ、それは知らなかった。すいませんね。田舎育ちなもんで。都会は怖いなあ」
わざとらしく見えてるだろうけど、腕を抱えて身震いした。
あ……もしかして……これ、刀没収されるパターンのやつ……? それだけは阻止しなければ。
ということで、またまたわざとらしいが、刀の没収を避けるべく、話を変えようと企んだ。
「あの、ここは真選組ですよね? 私、入隊したくて上京してきたんですよ」
「女人禁制だ。それに質問終わってねェ」
即答やん。
詰んだやん。
もうお先真っ暗やん。
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白桃餅子 - 名無しさん» 申し訳ありません。すぐに直します。ご指摘ありがとうございました! (2018年9月15日 18時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 名前ダブって表示されてるぞ (2018年8月30日 21時) (レス) id: 77a76fa0b1 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» 良きかな(笑)ありがとう! (2018年5月4日 12時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
林檎はいつまでも…… - 良きかな。 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 0403755de3 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» 面白い?? そう言ってもらえると嬉しいです!! これからも頑張らせていただきます!! (2018年4月7日 14時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桃餅子 | 作成日時:2018年1月9日 16時