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「昨日大丈夫だった?」
次の日、会社に向かう途中偶然会ったゆりちゃんに、顔を合わせるなり聞かれた。
「えっと……」
一瞬どのことかわからなくて、返事につまる。
「コンペのことで落ち込んでるのかなって。康二も目黒も心配してたよ」
昨日の目黒くんとのやり取りと、冷たかった手のひらを思い出して、胸がちくんて痛んだ。
「ゆりちゃん、私よくわからなくて」
「何が?」
「自分のことなのに、よくわからなくて」
「コンペのこと…じゃなさそうだね」
私が頷くと、ゆりちゃんがおもむろにスマホを取り出して向井くんに電話している。
「あ、康二?」
『おはよーゆり。どしたん?』
「今日ちょっとAと帰るから。
一緒に帰れない、ごめんね」
『え?それやったら俺も一緒に…』
「ダメ、女だけで話したい時もあるの。じゃ、そういうことで」
ぷつって通話を切ってしまうから、慌てて言う。
「ゆりちゃん、向井くんと約束してたんじゃないの?
別に今日じゃなくても」
「あ、別に約束じゃないから。しょっちゅう会ってるし大丈夫。何でも聞くから、Orangeでご飯おごって」
そう言ってくれるゆりちゃんの言葉に、今日は甘えることにした。
・
「いらっしゃい。お、今日は二人?」
お兄ちゃんがカウンターから顔を覗かせる。
「そうです、今日は女子会」
「お兄ちゃん聞き耳立てないでね」
「そう言われると聞きたくなるな」
にやって笑うお兄ちゃんを軽くにらむと、カウンターから一番遠いテーブルに座った。
生春巻きを食べながら、最初に玉森さんの話をぽつぽつゆりちゃんに聞いてもらった。
「え?!彼女が5人?」
「そうなの。ありえないよね?」
「ありえないでしょ。それって結局はいわゆるセ フレってやつじゃないの?」
「でももっとありえないのが。私もキスしたりハグしたりしちゃってて。しかも嫌じゃないの」
ゆりちゃんが飲み物を飲みながらむせてる。
「…嘘でしょ?目黒に振られてやけになってない?」
そういえば目黒くんに時間ほしいって言われた話もしてなかった。
目黒くんにそう言われたことと、昨日ハグされてるところを見られた話もした。
しばらく黙っていたゆりちゃんが口を開く。
「ね、客観的な意見言っていい?」
「うん」
「Aは玉森さんが好き、なんじゃない?」
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ニイナ(プロフ) - 桃マスカットさん» 桃マスカットさーん、読んでくださってコメントもありがとうです💓2章も楽しんでもらえたらいいなあ、お時間ある時お待ちしてます☺️目黒くん、書いてて楽しいです😂(私得) (2022年6月17日 23時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - この先の展開もめっちゃ楽しみですー!!目黒くん、いい役ですねぇ😏🖤 (2022年6月11日 23時) (レス) @page41 id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - なっちゃんさん» なっちゃんさーん💓お久しぶりです🥰恋愛とか結婚てほんとタイミング大事ですよね✨登場人物に共感してもらえるのめちゃくちゃ嬉しいです、そのお言葉に私がほっこり🥺玉森さんに戻ってきてもらえてよかった!読んでくれてありがとです💓 (2022年6月10日 21時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - モナさん» モナさん、玉森さん帰っちゃったわ😂ねー、目黒くんもかっこいいのよ🥺困るわあ(誰が書いてるねん)北山部長素敵よね、こんな上司の下で働きたいー!モナさんまたまた久しぶりだったのにコメントくれてありがとうです✨私もモナさん大好き💓 (2022年6月10日 21時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - つくづくタイミングってあるよなぁと目黒くんの告白見て思いました!ニイナさんの登場人物には共感できる人が多くて、心が温かくなります☆目黒くんの応援したくなりかけたけど、玉ちゃんの「会いたいって言っていいんだよ」で玉ちゃんに戻ってきました☆ (2022年6月8日 21時) (レス) id: 14913c4d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニイナ | 作成日時:2022年2月27日 11時