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「ありがとうございました。すごくすっきりしました」
ヘッドスパは気持ちよくて頭が軽くなって、なんとなく気持ちも軽くなった気がする。
「それならよかった」
そう言ってにこって笑ってくれる。
「あ、レジ閉めとかするの待っててくれるなら送って行くよ。今日もバイクだから」
「い、いえ。そこまでしてもらうわけには」
私がぶんぶん手を振っていたら、宮田さんが横から言う。
「俺レジ閉めしとくし、玉送って行ってあげなよ」
「いやいやそんな、悪いです」
「悪くないよ、玉いつも最後まで残ってるじゃん。
たまには早く帰りなよ」
「あ、そう?悪いね、宮っち」
宮田さんの提案にあっさり頷く玉森さん。
「Aちゃん、行こ」
「いや、でも」
「いいのいいの。俺が送って行きたいんだから」
そう言ってすたすた店を出てしまうから、慌ててついていく。
はい、ってメットを渡された。
「…ありがとうございます」
「はい、乗って」
後ろの席をぽんぽん、ってたたく玉森さん。
「玉森さん、どうしてそんなに優しくしてくれるんですか?」
シートにまたがりながら、聞いてみた。
「最初は泥だらけにしちゃった責任感からかなあって思ってたんですけど。そのあとも」
玉森さんはちょっと斜めを見て考えてる。
「…うーん?」
「あ、お客さんだからかな」
「いやまあ、確かに大事なお客さんではあるけど…」
玉森さん自身もよくわかってないのか、はっきりしたことは言わないまま、しっかりつかまっててね、って言いながらバイクはゆっくり走り始めた。
今日も風が気持ちいい。
この間より少し気温も上がっていて、春がだんだん近づいているんだなあと思う。
「寒くないー?」
バイクの音に負けない大きな声で聞いてくれる。
「平気です!」
私も大きな声で返す。
マンションの前に着いたから、降りてメットを渡すとわざわざ玉森さんも降りてくれた。
「本当にありがとうございました」
「…うん」
「じゃあ、また」
「待って」
行こうとしたら、ぐいって手を引っ張られた。
よろけたのを抱きしめられたような格好になって離れようとしたけど、腕に力をこめられた。
「……玉森さん?」
「さっきの質問、走りながら考えてたんだけど。
Aちゃんがいつも一生懸命だから、かな」
「え?」
「俺とは違うから。応援したくなる」
どういう意味か聞こうとした時。
「…横尾?」
目黒くんが立っていた。
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ニイナ(プロフ) - 桃マスカットさん» 桃マスカットさーん、読んでくださってコメントもありがとうです💓2章も楽しんでもらえたらいいなあ、お時間ある時お待ちしてます☺️目黒くん、書いてて楽しいです😂(私得) (2022年6月17日 23時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - この先の展開もめっちゃ楽しみですー!!目黒くん、いい役ですねぇ😏🖤 (2022年6月11日 23時) (レス) @page41 id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - なっちゃんさん» なっちゃんさーん💓お久しぶりです🥰恋愛とか結婚てほんとタイミング大事ですよね✨登場人物に共感してもらえるのめちゃくちゃ嬉しいです、そのお言葉に私がほっこり🥺玉森さんに戻ってきてもらえてよかった!読んでくれてありがとです💓 (2022年6月10日 21時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - モナさん» モナさん、玉森さん帰っちゃったわ😂ねー、目黒くんもかっこいいのよ🥺困るわあ(誰が書いてるねん)北山部長素敵よね、こんな上司の下で働きたいー!モナさんまたまた久しぶりだったのにコメントくれてありがとうです✨私もモナさん大好き💓 (2022年6月10日 21時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - つくづくタイミングってあるよなぁと目黒くんの告白見て思いました!ニイナさんの登場人物には共感できる人が多くて、心が温かくなります☆目黒くんの応援したくなりかけたけど、玉ちゃんの「会いたいって言っていいんだよ」で玉ちゃんに戻ってきました☆ (2022年6月8日 21時) (レス) id: 14913c4d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニイナ | 作成日時:2022年2月27日 11時