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-07- ページ19
*和也side*
「ねぇ。」
「……。」
「‥和也、くん？」
少し高めの甘い声で、俺の名前をAは呼ぶ。
目を合わせようとしない俺の顔を、
覗き込むようにして見てくる彼女は。
「かわい。」
「お前なぁ…。」
楽しそうに笑って、そんなことを言う。
オレンジの淡い陽の光が、優しく彼女を包み込む。
「ふふ…。」
汚れを知らない真っ白な彼女が、
男が考えていることを理解なんてしてるはずがなく、
無垢な瞳で無邪気に笑っている。
‥主導権を握られるのは、調子狂うし。
100％安心されてるのも、何かむかつくから。
「‥生意気。」
「え？んん…っ！」
俺の零した言葉に反応して顔を上げた瞬間、
その細い顎先を捕えて、深く口付た。
突然の俺の行動にびっくりしたのか、逃げ腰の彼女。
逃げられないようにその細い腰をぐっと引き寄せて、頭を抱え込む。
「に…、みやく、っ」
静かなこの空間に、彼女の甘い声と二人の吐息が混ざった音が響く。
口内を掻き回すようにして深いキスを繰り返していると、
だんだん彼女の体の力が抜けていく。
酸欠で倒れられても困るから、そっと唇を離すと。
「‥大丈夫？」
「っ…、」
呼吸を乱して涙で瞳を潤ませて、
顔を真っ赤にしている姿が見えた。
・
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作者名：和音
| 作成日時：2019年1月27日 13時
