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*和也side*
「起きてたなら、声掛けてよ…。」
どこか拗ねたような口ぶりでそう言葉を紡ぐ彼女は、
広げていた問題集を片付け始める。
「なにそんなに拗ねてんのよ。」
「す、拗ねてない、もん。」
分かりやすく唇尖らせてるくせによく言うよ。
言葉と仕草が面白いくらいに矛盾してるのが可笑しくて、笑い声を零すと。
「なっ！」
今度は小さい子どもみたいに頬を膨らます。
「拗ねてんじゃん。」
その仕草によってより一層幼くなった横顔を見て、
笑いながらそう言えば、しばらく黙った彼女は。
「‥だって。」
「んー？」
そう一言呟いて、また口を閉ざす。
「……。」
「ん？」
口を開こうとしない彼女に首を傾げてそう問えば、
ﾁﾗﾘ、と少しだけ俺の方に顔を向けて、また俯いた彼女は。
「一緒にいられる時間、少なくなっちゃう、じゃん…。」
「……。」
本当に小さい声で、そんなことを言い放った。
あー…、マジ天然怖い。
何でそんなことｻﾗっと言えちゃうわけ。
‥ココ図書室じゃなかったら、即押し倒してるわ。
「二宮くん？」
「ぇ、あ、あぁ、何？」
「いや、何かﾎﾞｰっとしてたから。」
「‥お前のせいだわ。」
「え？」
「あぁ、何でもない、こっちの話。」
話を無理矢理逸らすと、不思議そうに首を傾げる彼女。
何か、‥何だろうね。
どんな表情も可愛く思えちゃう俺は、相当Aに溺れてんだろうね。
・
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作者名：和音
| 作成日時：2019年1月27日 13時
