Letter8 ページ8
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そして親の反対を押し切り、もしこのデートで私が危機に晒されたら
今後一切春は出かけません。
と約束しました。
そしてもうひとつ、親から条件が出されたのです。
幼馴染のるぅとくんには貴方の病気について話しておきなさい。
そう母親は言ったのです。
別に私は強い女でもないし、寧ろるぅちゃんは私が弱いことをよく知っている人で、私を安心へ導いてくれる人だったから全て打ち明けました。
泣きじゃくる私を優しく抱きしめてくれた。
そしてころちゃんには内緒にするよう求めた。
この時の言いたくなかった理由は単純に彼女が病気だからという理由で別れてしまうのが怖かったから。
まぁ後から理由は180°回転するんだけど。
その様子をころちゃんは見ていたのですか?
待ちに待ったお花見デートの日機嫌の悪いころちゃんを見て私は終わった、と思ってしまったよ。
「Aだって僕を頼ってくれないじゃん。」
「るぅとくんのとこ行けば?」
何度私はあなたのその言葉を聞いたことか。
ごめんなさい。本当にごめんなさい。
頼ってしまうことによって関係が崩れてしまうことを恐れたのです。
弱虫だね、私。
だから長い付き合いのるぅちゃんに話しただけなんです。
浮気じゃないの。ごめん。
仲直りできずいてもたってもいられなくなって私は涙を零しながら美しい桜並木の下を1人走りました。
人間が桜なんかのせいで死ぬわけない。
そう思ってがむしゃらにひたすらに走ったの。
でも私は軽んじていました。
諸に桜の攻撃を受けた私は駅前で、
るぅちゃんの前で
また、
倒れる事になる。
この時私は自分の命の絶ち方を覚えたのです。
簡単に、直ぐに、苦しまずに命を絶つ方法。
私にしか出来ない、独自の美しい死に方。
その日から私は自分の人生の終わり方を決めていたのかもしれないね。
ここから私の嘘まみれの生活が始まります。
この先の手紙は心して読んでください。
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「…浮気、なんて思ってごめん…」
「変化に気づけなくて、ごめん」
Aの遺書もそうだけど何度も繰り返し出てきて
とても印象深かったのは
『ごめんね』
謝罪の言葉。
そして彼もごめん、と何度も口にする。
ヒラヒラ僕の目の前を舞う桜をもう一度手の中に閉じ込め愛おしいものを扱うように眺めては一気に破り捨てる。
Aが僕にも嘘をついていたということに驚きを隠せなかったから。
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mei - 何年経ってもこの小説が素敵すぎて読みに来てしまいます。3人それぞれの視点で読み返してみるとより深く考えさせられます。1つのお話として本当に素晴らしい作品だと思います。これを元に書籍化して欲しいくらいです。颯桜さんの書く素敵な物語に出会えて良かったです。 (4月1日 3時) (レス) @page49 id: ece57623d6 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - イチゴジャム・.。*・.。*さん» 素敵なコメントありがとうございます・・・!大変光栄です。 (2022年2月21日 20時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴジャム・.。*・.。*(プロフ) - 小説、占ツクが好きになったのはこのお話がきっかけです。読んだのは結構前ですが、素敵な作品をどうもありがとう…! (2022年2月20日 12時) (レス) @page49 id: 3017e9e097 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - 凛月さん» 凛月さん!素敵なコメントをありがとうございます。元から文を書くことが好きで趣味程度に始めた創作ですがこのように誰かの心の中に残るようなものを残せてとても誇らしく思います。これからもどうかよろしくお願いいたします。(私も凛月さんの作品好きです。) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - この作品を読んだのは随分と前のことなのに、今でも無性に読みたくなって、何度も戻って来てしまいます。占ツク外も含め、私が今まで読んできた小説全ての中で1番好きな作品です。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯桜 | 作成日時:2020年3月1日 20時