恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.6

悪戯な笑顔 ページ39

玉「あ！ケーキ入刀！！あっぶねー、間に合った！！」




行こう！とまた手を引っ張られて


シャッターチャンスを狙うべく、デジカメを片手に近くまで行く。




玉「見て……涼さん、めっちゃ幸せそう」




私の耳元で囁いた、玉森君を見上げた。


大丈夫だよ、とでもいうような表情で……


傷付いた私を慰めてくれる。




玉「つーか、結婚は本人同士の問題だからね？Aちゃんは何も悪くない」




……やばい、また、泣きそう。




玉「えーと……Aちゃん？」




表情ひとつ変えず、言葉も発しない私。


玉森君はそんな私にレンズを向けて……


パチリ、とシャッターをきった。




A「え！何？！ちょっと！今絶対不細工なんだけど！！！」




イヒヒ、と悪戯な笑みを浮かべる。




玉「そのAちゃんがいっちばん好き。笑顔が可愛いんだからさ……あんま気にしない方がいいよ」




ね？なんて言われてるうちに、ケーキ入刀は終わっていて……


周囲に混ざって戻りながら思った。




……ん？今、好きって言った？？




……いやいや、笑顔がってことだよね。




言葉の綾だと言い聞かせながら席に着くと


見ないようにしているのに……気がいってしまう。



藤ヶ谷君の席。




……二人は今、何をしてるんだろう。

○MK○→←棘

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す