検索窓
今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:188,334 hit

見たくない ページ31

Aside



これから始まろうとしている披露宴の待ち時間。


殆どのゲストが集まっているロビーで、


ざわざわとしているせいか、隣の玉森君が耳元で囁いた。




玉「ガヤ達いるよ」




A「えっ」




彼を探そうと顔を上げると


すぐに見付かる、好きな人。


藤ヶ谷君も……真っ直ぐと私を見つめてくれていた。


走り出したいのをぐっと堪えて、


顔を合わせたら言おう……なんて考えていたのに。


私が近くに行くより一足早く、


知らない女の子と話し始めて……


それがやけに親しげで、誰も入る隙がないほど。




玉「付き合ってたのかな?」




玉森君の一言で、燻っていた感情がチリチリと焦げ付きだした。


私……ヤキモチ妬いてる。


どんな関係なのか……


知りたくないけど、知りたい。




会話はよく聞こえないけど、


仲が良いのは嫌になるほど伝わってくる。


見なきゃいいのに、食い入るように二人を見つめてしまって。


私を触れた藤ヶ谷君の指先が……


女の子の後ろ首に這った瞬間。


とうとう我慢が出来なくなって、無意識に背を向けた。




やだ、触れないで……!




自分は玉森君と一緒にいるくせに……


都合よくそんな風に思ってる。




玉「Aちゃん……?」




A「あ、あたし……パウダールームに行ってくるっ……!」




玉「……えっ」




パウダールームになんて行く気は更々なかった。


最初は平然を装いながら、


背筋をピンと伸ばすとヒールを鳴らしながら早歩きをする。


たぶん誰も私のことは見えないだろう、


そう思ったくらいから勢いよく走り出した。


あんなの見なきゃ良かった……


ロビーを抜けてガーデンを通りすぎる。


門を目指している途中のところで


ぐい、と腕を掴まれた。

ごめんなさい→←○MK○



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (252 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
231人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

由貴(プロフ) - 楽しみにしてます!!(*^O^*) (2015年3月26日 16時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
MK(プロフ) - 桃山さん» 桃山さん!お気に入りに追加の下にある、作者の作品を全表示をみていただけるとあると思います!タイトルはRainy Valentineになります。R18になりすのでお気を付け下さい。ありがとうございます。 (2014年3月1日 9時) (レス) id: 9b361cc9a3 (このIDを非表示/違反報告)
桃山 - バレンタインの企画のを見たいんですけど、どうやったら見れるんですか? (2014年3月1日 9時) (レス) id: 2083fab60f (このIDを非表示/違反報告)
さえき - 覚えてくださるなんて・・・ありがとうございます。うれしいです。応援たくさんたくさんしています。 (2014年2月19日 15時) (レス) id: 068b3e3612 (このIDを非表示/違反報告)
MK(プロフ) - さえきさん» さえきさん!ナナイロでもコメいだだきましたよね?!朝からぶっとーしで読んで頂けるなんて……ありがとうございます!そしてお疲れ様でした(笑)心を鷲掴み出来て、素敵な物語だと言ってもらえて、嬉しい限りです!!これからも期待に添えられるように頑張ります! (2014年2月19日 14時) (レス) id: d2d398bad2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MK | 作成日時:2014年1月25日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。