恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.6

卑怯 ページ20

Aside



A「宜しくお願いします」




玉森君が部屋から出ていって


桂木さんに頭を下げた。




桂「こちらこそ宜しくお願いします」




ふんわりと微笑んだ、桂木さん。


素敵な人……


若いのにちゃんとしてる。


しかもメイクさんとは思えないくらい可愛くて……


鏡に映っているの私が貧相に思える。




桂「名前伺ってもいいですか？」




A「はいっ……○○Aって言います」




桂「Aさんって呼んでいいですか？」




A「え！えぇ！こんな名前で良かったら呼んでやって下さい」




桂「ふふっ……じゃ、私のことはくららって呼んで下さいね！」




人懐こい笑顔が愛らしい。


女の私でさえそう思うんだから、


きっと男受けは抜群なんだろうな……。




桂「Aさんは幸せですねぇ……玉森君にこんな素敵なのをサプライズで贈ってもらって！」




A「そう……ですよね……」




藤ヶ谷君のことを想っているっていうのに……


こんな十分過ぎる施しを受ける資格なんてない。


不安げな玉森君の顔を見たら何も言えなかった。


余計に傷付けると分かってるはずなのに……


自分が傷付くのを何よりも一番恐れてる。




………この瞬間だけ穏便にやり過ごせればいい。




どこかでそう思っちゃってる……卑怯な私。

嬉しくても泣けない→←予想外の反応

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