恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.6

スカーレット色 ページ12

売り言葉に買い言葉を交わしていると


ふと目に飛び込んできたドレス。


赤みたいなオレンジのような不思議な色合い。


だけど、鮮やかでラインが綺麗で


とってもAちゃんに似合いそう……。




玉「これ、めっちゃいい……！」




手に取ってみるとスカート部分は二枚重ねになっていた。


さらりとしてて肌触りが良くて……


まるで、花嫁さんが付けるベールみたい。




「さすが、お目が高いわね〜！スカーレット色が素敵でしょ？」




彼女は自分に合わせながら自慢気に言った。


全体的にクラシカルな雰囲気で


オードリーヘップバーンを彷彿させるデザインが上品だ。




玉「気に入ったからこれにするわ」




「あら、即決？他はいいの？？」




玉「いい。Aちゃんは絶対これが似合うから」




「結構するよ？」




玉「あーだいじょぶだいじょぶ。あと他に小物も選んでよ」




「そうねぇ、この色だと……」




コサージュやらクラッチバッグやら……


プロの目で厳選してもらって準備は万端。




玉「よし！これで一安心……後は明日も宜しくお願いします」




「ん、時間厳守でお願いね！」




玉「了解」




最後にもう一度お礼を言って店を出た。


ビックリするかな……


Aちゃんのリアクションを想像して


思わず頬が緩んでしまう。




……きっと喜んでくれる。




この時の俺は、そう信じて疑わなかった。


彼女の気持ちまで考える余裕すら無くて


自分のことしか考えていなかったから。

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