恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.5

ニセモノの強さ ページ33

A「……それだけで、本当にいいの？」




試すような、目。


いい訳ないだろ、と彼女と同じく目で訴えた。




A「藤ヶ谷君みたいな強さ、私も欲しい」




藤「強さ……？」




A「どんなことがあっても、いつだって凛としてて……俺が思う道をいく、揺るがない、っていうのを身体全体から感じるの」




……強くなんてない。




人並みに不安に感じるし、怖くなることだってある。


強く見えるってことは、隠し通すのが上手いだけ。


要するに、単なるカッコ付けたがりなんだろう。


好きな人には不様な姿は見せたくないから。




藤「ホントに……なんかあった？」




様子が少しおかしくて、さっきと同じ質問をぶつけてみる。


普段こんなこと言わないから、Aらしくないと思った。




A「相談というか……聞いて欲しいことがあって。ここじゃなんだから、良かったら私の家に……」




彼女は、言いにくそうに切り出した。


家に誘われたのは、そういう意味合いじゃないと分かってるけど、勝手な妄想をしだした頭に鼓動が速まっていく。




藤「相談……ね」




わざわざ言葉にして、良からぬ妄想を繰り広げる頭に言うことをきかせる。


そして、今度はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。

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