恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.5

口げんか ページ31

藤ヶ谷side



弟にヤキモチ妬くなんて、バカげてるけど止められない。


友輔と少しでも同じ時を過ごしていたのかと思うと、それだけで妬けてくるのに。


俺は藤ヶ谷君なのに、友輔くんって何だよ……。




A「藤ヶ谷君は、藤ヶ谷君だもん……今さら呼び捨てるなんて恥ずかし過ぎるよ」




藤「ふぅん……」




ウィンカーを出して左寄せすると、強めにブレーキを踏み込んだ。


前のめりになった彼女は驚いた様子でこっちを見ている。




A「な……なにっ？！」




藤「つーか、タマと何かあった？」




友輔から迎えに来てあげて、という連絡があって、なんで友輔の店にって思った。


タマと一緒だって聞いた時、あぁやっぱりって。


あの電話でAから誘ったんだって、直感的に感じた。


当たり前だけど、友輔以上にタマへの嫉妬心が強い。




藤「デート……楽しかった？」




A「……ひみつ」




藤「んだよそれ」




A「玉森君が渉君とのデートのこと聞いてきた時、関係ないだろって言ったのに」




藤「……言ったかなぁ、そんなこと」




A「言いましたー！なのに自分は聞くってどういうこと？！」




藤「自惚れんな！別に気になってるとかじゃねーし！社交辞令だし！！」




A「はあああ？！訳わっかんない！！自惚れてなんかないし！てゆか社交辞令の意味分かって使ってる？！」




藤「あー、もう、ごちゃごちゃウルサイ！知らね！！せっかく迎えに来てやったのに、なんだよその態度は！！」




A「頼んでませんー！藤ヶ谷君、ホントに友輔君と兄弟なの？その前にホントにお兄ちゃんなの？？友輔君の方が礼儀正しくて、落ち着いてて……」

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