恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.5

後悔はしたくない ページ2

玉「怒りゃしないけど……ちょっと淋しいかな」




横「うわ、翻弄すんなよなー。 タマがその気になったら勝ち目ないし」




何故その気になってないって思うんだろう。


Aちゃん、なんか可愛いし。


ずいぶん会ってないから、温泉旅行の時から気持ちは結構薄れたけど……


何度も会ったら分かんない。


そこらの可愛いだけの子とは違って、仕事に誇りを持って頑張ってるのとか、尊敬出来るし魅力的。


尊敬出来る子と一緒にいると、自分の頑張る源にもなるし。


外見以上に重要事項だったりする。




玉「ね、ガヤ。それ持ってく」




藤「へ？それって、どれ？」




ガヤがぽっかーん、としてる間に……


手にひとつだけ余ってる、ベビーピンクの封筒を無理矢理奪う。




藤「……ッオイ！それAの！！」




玉「俺が渡しとくから」




藤「何でだよ！俺が渡してって言われたんだから、俺が持ってくのが筋だろ」




玉「まぁまぁ、堅いこと言わない。久しぶりに顔見たいし！いいじゃん」




翻弄するつもりは更々ないけど……


元気かな、ってちょこちょこ思ってたから。


本当に久しぶりに顔が見たくなった。




横「タマ……お前」




怪訝な顔で俺を見つめるわったーに、余裕の笑みをひとつ。




玉「誰のものでもないんだから、いいじゃん？」




性格悪いかな、と思ったけど。


恋愛に収まらず、全ては誰かに遠慮してたら始まらない。


あの時ああしてれば良かった、なんて思っても遅いことを俺は嫌になるほど知ってる。


涼さんで経験済みだから……


あんな風にだけは、絶対になりたくない。


手の中にある、角ばった封筒を眺めながら、ほわほわに温かな胸で密かにそう思った。

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