恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.11

思わぬ言葉 ページ37

藤(あ、繋がった……)




A「うん！機内モードにしてたの忘れてて！今ちょうど繋がるようにしたのっ」




そうなんだ…って声色がいつもより違う気がするのは電波のせいなのかな。




A「あのね、あの……ずっとケンカしちゃったこと気になってたんだ。嫌な思いをさせて悪かったなって……」




藤(…あぁ、そのことなんだけど)




やっぱり、空気感がいつもと違う。


なんとなく声を詰まらせて……何か伝えようとしているのを感じる。




A「…なに？どうしたの？」




藤(うん…………)




A「…、なに？」




藤(えと……もう少しそっちに居ても大丈夫だから)




A「え…っ、なにそれ？」




藤(渉から聞いたんだ。姜さんが……その、Aのこと返さないって言ってたって……)




A「あぁ、それはね…」




藤(だから、帰ってこなくて大丈夫だから)




……帰ってこなくて……大丈夫？




A「それって……どういう、」




藤(…ん、俺は平気だから。もう少しそっちに居ろよ)




ギュッと握りつぶされたように胸が痛みだして、同時に鼻の奥がツンとくる。


なんでこんなこと言うんだろう。


なんで……こんな残酷なことを。




A「それって…もう……私のこといらなくなったってこと…？」




藤(そういうワケじゃ、)




A「嫌いなの…？私のこと」




藤(………違うって)




A「じゃあ……！」




藤(でも、距離……置きたい………ごめん)




弱々しくて意気地のない声なのに、棘だらけの言葉が突き刺さる。

呆気ない終わり→←機内モードOFF

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