２０９：また？ 〜S〜 ページ4
「ニノ？悪かったな。」
昼休みの喫煙所。
「ビールでいいっすよ。」
ってタバコを咥えながらにっこり笑って言うその笑顔が怖ぇ〜よ。
「１杯１０００円するビールじゃねぇだろうな？」
「ふふ。大丈夫ですよ。ニノちゃん、そこまで鬼じゃないし。それより無事仲直りできました？」
「あぁ。お陰様でな。」
「それはそれは、なによりです。」
咥えてたタバコを灰皿に押し付けて、ワイシャツのポケットから箱を取り出すともう１本咥えた。
「翔くん？またケンカしたの？」
って背後から眠そうな声。
いっつもあんたは気配消すよな。
「ええ。翔さん、Aさんに『ヘタレ』呼ばわりされて、殴られてましたよ。」
『ククク』って思い出し笑いなのか、笑いながら言うニノ。
てか！お前が言うなよ！
「んふふ。見たかったな。」
「あの相葉さんをマジギレさせた男、初めて見ましたよ。」
「え？相葉ちゃんって怒るの？」
「えぇ。あの人隠れシスコンなんでね。本当は妹が可愛いくてしょうがないんですよ。」
返す言葉もなく俯きタバコを吸うだけの俺。
「翔くん？早くお嫁さんにしちゃいなよ〜。」
って何て事無い様にふにゃふにゃ笑いながら言う。
「ヘタレの翔さんは、何か特別な事がないと言えないんですよ。」
「んふふふ。そっか。」
そこにこだわって悪りぃかよ。
「てか、大野くんって何てプロポーズしたの？」
後学の為に聞いとこ。
「ん？えっとぉ〜…『オイラのお嫁さんになってください』って。」
「おっさんらしいっすね？」
「んふふ。そ？樹里ちゃん美人でしょ？付き合って２ヶ月くらいで言ったかな？他の男に取られたくなかったし。」
ってふにゃふにゃ笑う大野くんはすっげぇ幸せそうで。
「ヘタレのまんまいたら、Aさんも取られちゃいますよ？翔さん？」
からかってるってのが丸わかりの笑い方で言うニノ。
「言われなくてもわかってる。Aすげぇ可愛いし。」
「はいはい。」
ニノに軽くあしらわれて。
大野くんはふにゃふにゃ笑ってるだけ。
「ね、大野くん？その指輪どこの？」
「ん〜？ブランドの物じゃないよ？樹里ちゃんが選んだの。」
「そっか…。」
イブまでに俺のやるべき事は山程あって。
どこに泊まるか？
何て言うか？
指輪はどうするか？
一緒に住んでるとバレない様にサプライズを考えるのも大変で。
「翔さんの気持ちが一番大事。」
って何もかも見透かした様にニノが言った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月29日 22時
