１３６：ピンクと水色 〜S〜 ページ11
「翔さん？どこが荷造り済んでるんですか？」
土曜日の朝一、雅紀くん達と４人でAの部屋に来てくれた。
俺とAはインターホンの音で飛び起きた。
「翔ちゃん？裸だけど寝起き？」
てか、殆ど寝てない。
「ねぇ？Aは？」
「あぁ洗面所で着替えてる。」
「んふふふ。お盛んです事。」
「ニノちゃん、呆れて物も言えません。」
洗面所からバツの悪い顔をしたAが出て来た。
４人のじとーっとした目がAに向けられる。
「おい！Aを責めんなよ！俺が離せなかっただけなんだから。」
「はいはい。んで？ニノちゃんは何をすればいいんですか？」
「まず荷造りからじゃない？」
そう言って重ねてある段ボール箱をおもむろに開ける大野くん。
「あ！『あ…』」
Aと大野くんの声が被る。
そちらに視線を向けると段ボールの中は下着。
「ちょっと！大野くん！！」
慌て蓋を閉める。
「ピンクと水色…Aちゃんぽいね？」
「私は黒と赤が多いし。」
「あぁ！樹里さんイメージそのまま。」
「Aは昔からピンク多いよな？D６５。」
え？そうなの？
サイズなんて今知った。
「雅紀！！」
「え？Aさんてそんな大きいんだ。意外…。」
そう言ったニノの視線はAの胸。
「おい！ニノ！見んなよ！」
「もぉ！イヤ！恥ずかしい。」
俺の背後に回り背中に抱きつく。
「A…人前で抱きつく方が恥ずかしいけど。」
「樹里もうるさい！」
「皆でA虐めんなよ！サッサと荷造り始めろよ！」
「翔さん？それが頼む態度ですか？」
「あぁ〜もう！お願いします！」
「翔くん？オイラね『はいはい、何でもご馳走させて頂きます。』」
「やった！智くん？何食べよっか？」
「んふふふ。回らない寿司とか？」
おいおい…
一体いくらになんだよ。
俺の給料大体わかってんだろうが同期なんだから。
「さて、始めましょうか？」
ニノがそう言って段ボールに詰める作業が始まり、雅紀くんと俺はそれぞれの車に運ぶ。
「翔くん？」
「ん？」
「おっきな鏡は持って行ってもいい？」
「あぁ。うちには無いからね。」
「雅紀！運んで！」
汗だくで荷物を運んでくれてる雅紀くんを呼ぶ。
「お前、人使い荒過ぎ！」
「つべこべ言ってるとお見合いさせるよ！」
「マジで、それだけは勘弁して…。」
「じゃぁ運んで。」
そう言われて渋々大きな鏡を抱える。
「おも…。」
「雅紀くん！手伝うよ！」
慌て近寄った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
