いきなり一目惚れされた件。【オリジナル】

◆20話 ページ20

チク チク チク



静かなリビングに、時計の針が動く音が響く。


何分たっただろう。


だんだんと冷や汗が頬をつたって、こたつの布団に落ちていく。









「ん……………」



やばい！起きちゃうっ！




「ん〜……………？」




「え、あ、その、えっと」


思わず、変なことばを発してしまう。
なにしてるの、私。









「……ふふっ。焦ったやろ、Aちゃん。」




にやにやしながら言う早乙女くん。




「へ、へっ！？」


ど、どういう事……！？





「僕が無意識にしたわけちゃう。全部、演技やから。」


「うそ！？」


「ほんま。」


えぇ、気付かなかった。早乙女くん、演技がうまいみたい。







「そ、それじゃあ、なんで……？」




「えー？なんとなく……かな。」




「なにそれ。」



変な事を言うから、私はつい、笑ってしまった。







































「そんなわけ、ないやんか。」








早乙女くんが ぼそっ と言った、この言葉は、私の耳には届かなかった。

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