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ドキって音を立てて、心臓が暴れ出す。
今のは、私に向けたもの？
いやいや、違う違う。そんなわけない。
目黒が大事にしてくれたことなんて、片手で数える程だし。
結局女の子はブーブー言いながら、その場を去っていった。
「蓮くん、今の、本気で言ってる？」
康二くんが真剣な顔で目黒のほうを見る。
「当たり前じゃん。言ったでしょ、" 俺、負けないよ？ " って。」
「へえ。ごめんやけど俺だって負ける気ないわ。」
また私だけ置いてけぼりの会話は、確実に火花を散らしている。
もやもやしてるうちに、先生が入ってきて授業が始まった。
右側には康二くん、左側には目黒。
なんとも言えないこの配置は居心地が良くない。
講義に集中しないと。
必死にノートをとる私の右側でも、ペンの走る音が聞こえてくる。
左側は…物音ひとつ聞こえない。
目黒は開始早々に眠りについていた。
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作者名：平野 頼凛
| 作成日時：2019年9月21日 13時
