諦める必要は無い ページ31
まとまらない言葉をポロポロとこぼす
しかしそれをすべて彼は真剣に聞いてくれた
そして
「よしよし」
急に撫でられびっくりすれば彼は優しく笑っていて
「たくさん悩んでたんだね
別にどちらか今選ばなくてもいいと思う」
衣更「え?でも」
「........まおはさ、スバルくんたちがそんなことで真緒くんのこと嫌いになるって思う?」
衣更「それは........」
「真緒くんは、真緒くんが思う以上に人に必要にされてるし、愛されてるって僕は思うよ
生徒会も、TRICKSTARも大切な居場所ならどっちか諦める必要も無いと思うし」
衣更「っそんな単純な話じゃ........」
「うん、だけど無理に捨てる必要もないよ
どっちか選ばないといけないのは今が力量不足だからでしょ?
なら、どっちも手放さなくていいくらい大きくなればいいんじゃない?」
どう?なんていう彼に思わずポカンとした
これは予想外の回答だ
でも、嫌いじゃない
衣更「なんか、ありがとうな
そうだよな、頑張るしかないよな!」
「.......でも、もしも真緒がその学園から追い出されるようなことになったらその時は僕が守ってあげる」
はい
と差し出された指
衣更「おいおい怖いこと言うなよ、でもありえるかもなぁ」
少し笑って小指を絡める
「どんな事があっても、味方だから忘れないでね」
ふわりと笑う彼に胸が締め付けられる
衣更「あのさ、今日紅月のプロデュースなんだよな?」
「え?あ、そう約束しちゃった!!」
衣更「じゃぁ、あした
俺のも頼めないか?おれももっと上手くなりたいしさ!」
「うん!」
それからいろいろはなした
好きな色、好きな食べ物
ほんとに些細で、ありきたりな事
そんなことをはなす
でも知りたかったきみのことを
もっと君を知りたい
気が付いたらそう思っていた
チャイムが鳴り響き、五限目が終わったことを告げる
衣更「あ、やばい本格的にサボっちまったな」
「うん、巻き込んでごめん」
衣更「べつにいいって!そもそも俺の為だろ?」
ほら、とワイシャツの上に着ていたパーカーを渡す
「へ?」
衣更「流石にその服はまずいだろ?
まぁ着とけって」
「ありがとう」
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作者名:ゆめの | 作成日時:2016年9月26日 22時