未来でも、見に行こうか。-藤北- (ページ47)

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Another Story ページ47

「おっ…(笑)キタヤマ、喜んでるやん(笑)」

　

ここは、狭間の世界。

　

明るくて、暗くて、透明で、濁っていて

　
生きている人の“希望”と

死んでしまった人の“絶望”が

混じって織りなす、微妙な色合いをしている。

　

生きている人は

本来は入れない

不思議な、場所。

　

そんな世界の中

大量の機械に囲まれ

1人の人間とその周りの人間を

ただ純粋に応援し続ける

無邪気な神様がいた。

　

「もぉ～…神様。な～んでそんなに……はぁ。」

　

神様の手下は、盛大なため息をつく。

　

“誰か”に執着する神様は、滅多にいない。

　

そんな神様がいるならば

手下は皆、嫌がるだろう。
　

ただ、この不格好な神様だけは違った。

　

心が美しかった。

　
本体のぬいぐるみを作った人物の心、

所有者の心が、美しかったのだろう。

　

生きる力と

生きたいと思わせる力が

備わっていた。

　

だから手下は集う。

　

今日もぼんやり“あの人たち”を見守り続ける

へんてこな神様を、支えるために。