未来でも、見に行こうか。-藤北- (ページ37)

今日:13 hit、昨日:1 hit、合計:207,413 hit

37 ページ37

「……でも、なんか……」

「………？」

「いつだったか、忘れたけど

　……北山の声、聞こえたような気がするんだ。

　まぁ、あれはきっと、幻聴だと思うんだけどね(笑)

　皆に言っても信じてくれなかったし。

　…あの声に、救われた。

　なんか、もうちょっと頑張ってみよっかなって思ってさ。」

「……そっか。」

　

…皆は憶えてないんだ。

まぁ、それが当たり前なんだろうけど。

……でも

藤ヶ谷は憶えてくれてるんだ。

それは、嬉しいな。

「……………いつもなら、言わないけど。
　
　北山相手だったら、なんか照れくさいし。」

「ん～？なに。」

そっぽ向いた藤ヶ谷が

俺をしっかり見つめて、呟いた。

　
　

　

「…俺の隣は、ずっと、北山だけだよ。」

　

　
.

　