28 ページ28
.
「ちょっと待って。……最短でも、5か月かかるんでしょ？
そんなの、あり？大丈夫なの？」
嬉しいはず、なのに
急なことで焦り出す。
…今戻ったら、
さっきの2か月後の未来は、無意味ってこと？
もう、わけわかんねぇよ。
「………順追って説明するわ。」
.
.
.
.
.
「…ってことは
狭間での時間と、現実世界の時間とで、だいぶ差があるってことだよね。」
「そういうことになるな。
こっちの時間のほうが、ゆっくり流れんねん。」
「で、神様の目的って、俺に生きる希望を持ってもらうことで…
その目的が達成されたから、俺は帰れるってことか。」
「まぁ…そんな軽く言うてるけど、
実際、キタヤマ。
ここでは事故に遭ってから数時間しか経ってないことになってるけど
現実はもっと……半年は経ってるよ。」
「えっ！？半年も！？」
嘘……マジかよ。
最悪じゃん…。
「ホンマです。大真面目に言ってます。」
「えぇ〜…………俺、仕事ちゃんとできんのかな…。」
「できるできる〜。その辺安心してくださいよ。」
「ほんとに〜？ま、神様の言うことだから信頼しますけど(笑)」
って、思うんだけどね。
実際問題、最悪だ。
でも、
現実で半年かかっても手に入れられないことが
たったの数時間で手に入れられたのは
本当に、本当に……最高なことだと思う。
「帰る前に、1つだけ。
キタヤマに、知っておいてほしいことがある。」
「なに？」
最高な気分、だった。
帰れる♪戻れる♪メンバーに会える♪
そればっかりだった。
「フジガヤのこと。」
「藤ヶ谷が、どしたの？」
ねぇ、神様。
「あの日、フジガヤが…」
胡散臭くて
おっさんで
そのくせ“僕”呼びで
スペック高いし、
何よりも、優しいんだからさ……
「キタヤマに、別れてほしいって、言ったのは…」
最後まで、
「キタヤマを、守るためや。」
へんてこで、優しい神様で、いてほしかった。
“俺とメンバーの成長物語”ってだけで
終わらせてほしかった。
そしたら
恋人としての“好き”から
メンバーとしての“好き”に
変えられたかもしれないのに。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 313人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちぇりリン
| 作成日時：2015年7月22日 3時
