未来でも、見に行こうか。-藤北- (ページ25)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:207,406 hit

25 ページ25

「じゃあ、北山。帰るわ。」

優しい笑みを浮かべて、

帰った藤ヶ谷を見て

とりあえず一安心する。

　

「お～い！神様！！どこ～？」

「あぁ、ごめんな。」

ヒュンっ…と現れた神様。

呼んだら、すぐ来てくれるんだね(笑)

って、言ったら怒られるから、言わないけど。

　

「……どうやった？」

「ん。大丈夫。俺も、藤ヶ谷も。」

「…そうか。」

「うん。そうです(笑)」

　

にっこり笑って言うと、

「こんなメンタル強い人間、

なっかなかおらへんわ…。」って、びっくりしてんの。

ほんと、神様おもしろい(笑)

.

「…未来見て、どうやった？な」

　

ふと、神様はそんな質問をしてきた。

「………よく、わかんねぇわ。

　でも、やっぱり……うん。

　嬉しかった、ってのが一番かも。」

「…嬉しかったん？皆、辛そうにしてたのに？」

…辛そう、だった。

確かに、皆泣いてた。

でも……

　

「皆、最後には笑えてたじゃん。

　それ見てさ、

　あぁ、皆すっごい成長してるなぁって思って。

　…それが、嬉しかった。」

「……成長？」

「うん。多分ね、今までのアイツらだったら、

　俺の声が聞こえたところで“ただの幻聴じゃん。アホらしい。”って。

　それで済ませてると思うんだ。

　でも、ちゃんと目の前の幸運に、喜んでた。

　些細なことだけどね、流さずに、ちゃんと受け取ってくれた。

　それって、成長だと思うんだ。」

　

ぼんやり、

寝たっきりの俺を眺める。

…俺がいるべき場所に、戻った時

皆に先越されてないか心配だなぁ(笑)

　

「ふふっ(笑)先が楽しみだよ………。」

　
ふわふわ浮いてる神様は、

俺の肩をぽんっと叩いてくれた。

　

先が楽しみ。って、笑いながら言ってるのに

早く戻りたい思いがこみ上げてきて

泣きそうになってる、

俺の変な顔を見て

何も言わずに

ただ揺れて、傍にいてくれてるだけの神様に

俺、本当に支えられてます。