未来でも、見に行こうか。-藤北- (ページ23)

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「……あ。フジガヤ。」

「え？」

　

コンコン…。

　

神様が、そう言った瞬間

控えめに聞こえてきたノック音。

　

静かに開いたドアの向こう側

なかなかこっちにやってこない藤ヶ谷の姿が

気になって、

思いっきり覗き込むと……

　

「…………藤ヶ谷……お前………」

　

見えた体に、驚いた。
　

数秒、ぼーっと、

眠ってる俺を見つめた藤ヶ谷は

はっとしたように、部屋の中に入ってきた。

　

ゆっくりとこっちに向かってくる藤ヶ谷の

ボロボロで、目の下のクマがひどくて、

儚くて、

見てるだけで悲しくなるような姿。

　

何より、心配で心配で。

「…何で………ど、したの……？」

聞こえない。

伝わらない。

知ってるよ？

伝わったとしても、

それはマグレで、微々たるものだって。

でも、聞かずにはいられない。

　
なんで？

神様を見つめる。

それでも教えてくれない。

自分で考えろって、言われてるみたい。

　

「ふじ、がや…？」

目頭が、熱くなる。

涙が、零れ落ちそうになる。

　

　

「………きたやまっ…………！！」

　

　
いつもは泣かない、藤ヶ谷が

　

　

「北山っ…ごめんな…………！」

　

こんな姿で

　

「俺の、せいだよなっ…………！ごめんっ…………」

　

泣きながら、謝るから。

　

　

.