未来でも、見に行こうか。-藤北- (ページ2)

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「時間設定ハ、コンマ1秒マデ、設定可能デス。」

「設定細かいわっ！！」

　

ってか、そもそも

あの世とこの世の狭間って

こんなに機械的なの？

「ほら。さっさと選ばな。あと20秒やで！！」

「嘘！？もっと早く言ってくれよ……。」

「アハハ(笑)神様、ドジっちゃった(笑)」

「はぁ…なんだよ神様……で？……これでいいの？」

「お、完璧♪ってなわけで……未来に、出発！！」

.

　

……数十分前、

ちっちゃい子が目の前で車にひかれそうになって…。

危ない！って思った瞬間、体が反射的に動いてた。

痛ぇよ！頭に響くよ！運転手何なの！？って、突っ込んできた車の運転手に

思いっきり文句言ってると、気づいたんだ。

　

「あれ、俺……なんで、浮いてんの……」

ぱっと下を見た瞬間

足元には

血だらけの、俺。

大粒の雨が、

俺の体を濡らし続けて

それはもう、とんでもない姿になってる。

「…………………嘘だろっ！？」

と、叫んだ俺の声と

「キャー！！救急車っ！！！」

「えっ……！？北山…………？きた、やま………？……嘘、だろっ！？おいっ！北山！！！」

甲高い悲鳴と、大好きな人の焦った声が

一緒に聞こえてきて

なんだか、すごく、不思議な気持ちになった。

…え、俺、死んだの………？

.

.

.

.

　

　

「いやいや、死んでへん。生きてるよ。」

.

　