as green as grass ページ7
カランコロン……
いつもだったら、
バンっと乱暴に閉めるドア。
今日はそんな気力もなくて
静かに、いつものカフェに入る。
「お前、負のオーラ漂わせて、どしたの？」
「ミツ…ひどい。」
「はぁ！？俺、何も悪いこと言ってない」
「俺、悩んでんのに。」
あーあ。
悩んでる人に
「負のオーラ」なんてさ。
ダメだよね。
いくら俺のお隣さんだからって
さすがにそれはない。
「…ニカ、どうした？」
「ガヤっ！」
「ちょ、お前…俺んときと態度が違う…」
それに比べてガヤはすごい。
優しく「こっち来て。」って言ってくれて。
どこかのちんちくりんと大違い。
「ち、ちんちくりんって…！お前っ！」
「ふんっ！」
「俺はちびじゃない！」なんてさ。
怒っちゃって。本当に、健永みたい。
「……なるほど。ニカ、健永と喧嘩したんだ。」
「な、なんでわかったの！？」
「なんとなく(笑)」
「ガヤすごーい………」
エスパーみたい…。
口ぽかーんってなって、
ガヤをぼんやり見つめてると
「藤ヶ谷は、俺の！」
俺の耳元で、小さく囁くのは、
ちびっこ北山さん。
……なぁーんだ。
嫉妬してるじゃん。
いいなぁ〜……
「ま、要するに、健永に嫉妬してほしくてフラフラしたのに
本気で怒られて、喧嘩に発展…ってところか。」
「ななな、なんでっ！？」
「ん〜…(笑)これも、なんとなく。」
すげー。
これは、もしかして、もしかすると…
ガヤ、何か秘訣を教えてくれたりする！？
「ガヤ、あの…」
「そういうのは、素直にぶつかりゃあいいんだよ！」
「……なんでミツが答えんの。」
「そ、そりゃ…あれだ。千賀の気持ちがわかるから、だよ…」
え？
「……北山？どしたの？」
「あぁ〜！！もうっ！！恥ずかしいなっ…
それって、千賀も、寂しかったんだろ？
そういうときは、ぎゅってして、ちゅってしてくれたらそれでいいの！
わかった！？」
「………は、い。」
凄い迫力に、頷くしかない。
しかもミツ、
「これだから……こっちの気苦労も知らねぇくせに！」と、
なぜかプンプン怒ってる。
「いいか？千賀は、寂しがってんの！
わかってるよ？愛されてるってわかってんの！
でも、露骨に他の人と仲良くされたら、傷つくじゃん…
理解してやれ、バカ！！」
「…はい。」
…まぁ、でも参考になるかな。多分。
早速家に帰ったらやってみます。
ぎゅってしてちゅってして…(笑)
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作者名：ちぇりリン
| 作成日時：2015年7月9日 0時
