yellow belly ページ6
「好きだよ」って
面と向かって言えない俺は
臆病だな…と思う。
「なぁ、宮田…」
「なに〜？」
宮田はこんなに優しいのに
俺は、仏頂面で
宮田のことを喜ばせてあげられない…
「今日も、行こっ！」
「ふふっ(笑)うん♪」
だからね
今日は、相談しようと思うんだ。
カランコロン…
「おっ、また来たか。」
「ガヤさん♪そんなこと言わずにさ(笑)」
「ずっと楽しみにしてたくせに。」
ボソっとつぶやいたミツは
凄く優しい笑顔を浮かべてて
なんかいいな…って思った。
「ガヤ…」
「何？」
「ちょっと、相談があってさ…」
俺がガヤに話しかけると
一瞬こっちを見たミツ。
でも、ガヤが
何も言わずにミツの方を見つめると
ミツ、急に笑顔になって
「店番は俺に任せて、そこ座って？ほら宮田！お前も手伝え！！」
「えっ、俺も！？」
ガヤと2人っきりにしてくれた。
「あのね……。」
ガヤの恋人さんも
天邪鬼なタイプだからね(笑)
でも
ちゃんと「好き」って言えてるんだよな。
どんな形であれ、伝えられるって素敵じゃん。
俺は…
宮田の「好き」に頷くことしかできない。
このままだったら、俺
宮田に嫌われるんじゃないかな…
「…そっか。」
「うん…」
「確かに、ちゃんと言葉にしてほしいって思うよ？」
やっぱり……。
「でも、俺は“好き”って言って頷いてくれるだけで幸せだなぁ…。」
「そう、なの？」
「ふふっ(笑)宮田もそうだと思う。
どんな玉も可愛い♪って思ってるよ(笑)」
「…知ってる。」
いっつもそう。
あいつ、突き放しても“玉は素直じゃないな”って
笑って、可愛い。って言ってくれる。
「じゃあ、無理しなくていいじゃん。」
「え？」
「無理して、頑張って“好き”って言ってもらうよりもさ
その場その場の表情で、読み取れるほうが嬉しいと思うよ？」
「…ガヤも？」
「俺？当たり前じゃん(笑)
目の前で真っ赤になられたら、そりゃあ…ね？我慢するだけで限界だよ(笑)」
「そっか。ありがと。」
「あ、でも…本気で喜ばせたいって思うなら…」
すっきりして
やっぱりすごいな。って思ってたら
嫌な笑みを浮かべてるガヤが
「ちょっと耳貸して？」と言った。
「…………って言ってやれ(笑)」
「そ、そんなの無理！」
「ま、頑張れ(笑)」
.
「と、俊くん…」
「…たっ、玉？」
「今日だけ、だからな。」
「ふふっ(笑)うん♪」
ちょっとは素直に、なれたかな…？
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作者名：ちぇりリン
| 作成日時：2015年7月9日 0時
