遠回りの恋

恋・6 ページ6

再びLINE着信バイブ。



相手は玉ちゃん。




「今度は何よ… え〜？何で？」



…



『 皆で迎えに行ってやるよ 』



玉ちゃんまで 何？


でも、すぐに返信。



『 仕事があるから無理。皆 各自で来てください 』



これでどうだ！！



すると 何のリアクションもなくLINEは静かになった。



「スリーキングと待ち合わせとかなんか無理に決まってんじゃん」


「釣り合わないよ… 恥ずかしいだけ」



それに…



「安くしてもらうためだもん、頑張らないと！！」



…




…




「塩対応でごめんね… 」




スマホにコツンとおでこを付け謝った。



その後、飲み会当日まで玉ちゃんも藤ヶ谷君もLINEは来ることはなかった。



そして…



飲み会当日。



その日は ６時まで勤務。無理言って普段より早めに上がらせてもらった。



急いでおじさんの店に向う。



「もう 皆 出来上がってるだろうなぁ… 」



最寄りの駅に到着。



「え？」




…




何でいるの？




…




「藤ヶ谷君… 」



「お疲れ」




改札口に藤ヶ谷君が立っていた。



「雨 降って来たからさ、迎えに来たんだ」




あ…




雨…




さっきまで降ってなかった雨が静かに降ってきていた。



「ほら、行こう。皆 待ってるから」


「うん… 」



一つの傘に入る私たち。



でも、なんだか居心地が悪くて…



「ぬれるからちゃんと寄って」



ちゃんと寄れって…



無理だよ…



こんなに近いのって初めてだもん。



ドキドキして… なんだか息苦しい。



「わ、私 大丈夫だから」


「ダメ、ちゃんと掴まって」



ひぃ〜〜〜〜〜！！



腕 組まされたーーーー！！！なんてこと！？



ひゃああーー！！



「ぷっ… そんな意識しなくたって… くくくっ… 」



かぁああああ…



「しょうがないでしょう！！もう離して！！」

「ダメ！！」



ガンとして私の腕を離さないで歩く藤ヶ谷君。


もう こういう免疫がないから どうしていいかわからなくて困る。


玉ちゃんやみっくんなら平気なんだけど、藤ヶ谷君だから…



「ほら、もういいよ、店 すぐそこだし」



曲がればすぐ…



「ダメ」




…




ダメだ… 全然聞いてくんなーーい！！




くすん…




結局、店に着くまでがっちり掴まれたままだった。

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