遠回りの恋

恋・K-FIN ページ50

ざわざわ…



「目のやり場に困りませんか？みつさん」


「非常に困りますね、ニカさん」



じと〜っと見る先には…



「さちが食べなよ〜 」


「え〜？裕君にあげるよぉ〜 」



…



「A、あ〜んして」


「もう、太輔は… はい」



おのれ…



「お前らさ！少しは俺たちに気を使うってことないのか！？」


「「「「へ？」」」」



『 へ？ 』じゃねぇよ！！



４人同時にハモリやがって！！



「まぁまぁ、みつさん 怒らない怒らない」


「だって！ニカ！コイツラってば！俺の傷口をグリグリしやがって！」



久しぶりに会ったと思ったら 玉にまで彼女が出来ててショック！！


それも相手は、Aの同僚！！



「みつ、また フラれたからって… 」



グサッ！！



「玉さんもさらにえぐらなくても… 」


「どうせ！俺はフラれ小僧だよ！！ふんだ！！」



イジイジと隅っこでいじけた。


なんだよ… 皆していちゃいちゃしやがって…



「みつさん、はい」



…



「ニカ、お前いい奴だな」



ビールを並々に注いでくれた。



「運命の相手かぁ… 俺も探さなきゃね」


「ん？ニカ、彼女いないの？」



にっこり頷いたニカ。



「天野かな？って思ったこともあったけど、なんか違ってました」


「だから みつさんと同じです」



そうなんだ…



…



「運命の人、どこにいるんでしょうかね… 」


「だな… 」



２人でチビチビ飲みながら ラブラブの奴らを見た。



ああ… アイツラのように 俺も見つけたい。



「そう言えば、俺の親戚にみつさんそっくりな奴がいるんですよ！」


「名前も『 宏光 』って言うんです。最初、彼かと思いました」



へぇ〜…


そんなに似てる奴がいるんだ。


世の中には似てる奴が３人いると聞くもんな。



「糸の切れた風船のような人だったけど、何年も探してましたよ」


「心のオアシスの彼女を」



心のオアシス…



「最近 見つけたって」


「嬉しそうでした」



ニカがまたグラスに琥珀色のビールを注ぐ。



「みつさんにも俺にも必ずいます」


「オアシスのような 運命の彼女が」



ニカが笑う…



まるで 『 大丈夫です 』と。



「そっか！俺も探そうかな？」


「うん！探しましょう！」



二階堂と再び アイツラの元に戻った。




見てろよ…




俺だって必ず見つけて お前ら以上にいちゃいちゃしてやるんだから！！




オアシスの恋！カモン！！



【 K-FIN 】

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