12 end ページ14
◇
鏡舎を抜けたAとエースは正門へ向かっていた。
その間も2人の手は繋がれたまま。
「さっきも言ったけど、来てくれてありがとな」
『いいよ、もう。財布ないと困るでしょ』
「……Aってオレに厳しいようで甘いよねー」
『なにそれ』
「あーっ、見つけたぁ！」
「『？』」
背後から聞こえてきた声に2人は同時に振り返る。
そこにはキラキラと顔を輝かせるフロイドがいた。
「フロイド先輩……？」
『げっ、さっきの人』
「名前、Aっていうんでしょ？ カニちゃんと双子なんだってねー。オレとジェイドと一緒じゃん。仲良くしよ？」
『なんで名前知ってるの？ カニってなに？ ジェイドって誰？』
名乗ってもいないのに何故か名前を知っているフロイドを気味悪がるAに構わずフロイドは距離を詰める。
目の前までやってきたフロイドをAは見上げ、初めて会った時と同じように『でっか……』と呟いた。
「ねぇ、カニちゃん。Aのこと欲しいからオレにちょーだい？」
「そこではい、どうぞなんて言うヤツはいないでしょうが！」
「えー、カニちゃんのケチ。Aもカニちゃんよりオレの方がいいでしょ？」
『え、いやどっちもどっちだけど』
「「…………」」
『どっちかっていうと、エースかな』
「だそうなんで！ Aのことは諦めてくださいねっ」
勝ち誇った笑みを浮かべAの肩を抱くエースにフロイドは
「その顔腹立つ。ぎゅーって絞めてやるよ」
と言い腕を伸ばす。
「げげっ！ A、今のうちに行けっ」
『ん、わかった』
「即答！？ ちょっとはそこは『エースを置いてなんて行けないよっ』なんて躊躇うとこじゃね！？」
『いや、誰それ。私そんなキャラじゃないよね。んじゃ！』
「は！？ 本当に置いてくつもりかよっ！ くそっ、今度帰ったら覚えとけよ！！」
Aは軽快な走りでエースたちから離れていく。
後ろの方でエースの悲鳴が聞こえたが足を止めるつもりはない。
こうしてAの財布を届けるという長い旅は終わったのだった。
終わったかのようにみえてこれは始まりにしか過ぎない。
▶つづく
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ここ(プロフ) - 蘭さん» 蘭さんコメントありがとうございます(*^_^*)面白いと言っていただけてとても嬉しいです〜っ！応援ありがとうございますっ、頑張ります！^_^ (2021年4月11日 9時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - す、凄く面白いです…！！エースの妹ってのが尚よし！！更新無理せず頑張ってください！いつでも待っています！！ (2021年4月11日 0時) (レス) id: abaf78baee (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ぽぽさん» ぽぽちゃんありがとう！！どうしてもエースくんとは関係持たせたくて双子の妹って設定にしてみた^ ^面白いって言ってもらえて嬉しい、ありがとう！ぽぽちゃんもがんばってね！ (2021年4月7日 19時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - ここちゃん新作おめでとう！！エースくんの妹の小説は初めてだし、お話も初めから面白いから続きがとっても楽しみ！更新大変だと思うけど頑張ってね！応援してる！ (2021年4月7日 18時) (レス) id: b4df090db3 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - にゃんまろさん» 応援ありがとうございますっ、とても嬉しいです(*^_^*) (2021年4月7日 18時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2021年4月7日 12時
