恋愛ドラマティック２

64.クラゲタワー ページ15

薄暗い館内のせいか

周りにいるのは

ファミリーよりも

カップルばっかり










しかも、

オッシャレーな

クラゲゾーンに突入してからは

特に

カップルが増えたように感じる













なんか…

今さらドキドキしてきた…









もしかしたら、

この人たちから見たら

あたしたちも

中の良さそうな

カップルに見えてたりするのかも…







なんて

一人で盛り上がっては

そんな夢みたいなこと、

あるはずないじゃん…って

もう一人の自分が

頭の中で突き放す









和「お前、百面相だな。笑」








　








　









和「余計なこと考えてねぇで、楽しめばいいだろうが。」














楽しむ？

楽しんでもいいの？




先生も

楽しんで、くれてるの？

























和「なんだあれ。」






先生が見つめる先には

タワーみたく重ねられた

水の入ったグラス一つ一つに

小さなクラゲが浮く、

シャンパンタワーならぬ

クラゲタワー














「わぁ！すごい！」





その綺麗さに

想わず駆け寄ってみると

シャンパングラスの中で

プカプカ泳ぐ

クラゲが幻想的だった















「ね！センセ！
これすごいよ！
センセも見てみ……っ…！」















先生を呼ぼうと

後ろを振り返って、

そしたら

唇に感じた

一瞬の違和感









和「ほんとだ、すげーなこれ。」


「ね…」


和「ん？」


「今の…なに…？」


和「何って、キスだろ。」


「キ…っ!!」


和「おー、泳いでる泳いでる。」


「ファーストキス、だったのに…」


和「嘘つけ。笑」


「うっ…そ、だけど！
な、なんで、キキキキス…」


和「だからね、少しは自分で考えなさいよ。笑」


「だって、わかんないも…ん。」


和「好きでもない女に、キスしないだろ、普通。」


「そう…なの？」


和「俺はね。」


「あたしのこと…好き、なの？」


和「……」


「センセ…っ」


和「好きだよ。」


「…っ…！」


和「なんでかよくわかんねぇけど、すげぇ好きだよ、お前のこと。」

65.ナンパ？→←63.その前に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す