▶マッドスマイル (ページ37)

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笑顔が36こページ37

添加物は拷問した後、自室のベッドで布団にくるまりカタカタと震えていた。
添加物が思っていた以上にAは狂っていたのだ。笑顔のためならそれに対する犠牲は厭わない。また笑顔でいなければ彼女の中では用済みとなる。そして厄介なことに作り笑いをしてもAにはバレてしまうのだ。
「本当の笑顔を今度見せてね」何回もAから言われた言葉。それは作り笑いをしている添加物には、本気で笑えよと言う脅し文句にしか聞こえなくなっていた。
次に笑わなかったら用済みにされるかもしれない。それでなくても、他の誰かの笑顔のために自分が犠牲になるかもしれない。その考えが添加物の頭を埋め尽くす。
他の幹部達も、よくもあんな笑顔に狂ったAと一緒に過ごせているものだと思う。なぜ普通に声をかけられるのか、なぜ一緒に笑ったりすることができるのか、添加物には訳が分からなかた。
幹部達に囲まれて過ごすためにここまで耐え抜いてきた添加物であるが、その精神も限界まですり減っていた。

(よし、他の幹部の人に聞いてみよう)

あの容赦ない言動に多少は身の危険を感じている筈だと。添加物は各幹部達にAのことが怖くないのか聞いて回った。

tn「まぁ恐ろしい時もあるけどな、でも家族と認めた奴には危害は加えへんし、怖くないで」
os「全然怖くないめぅ」
ut「可愛いやん。書類も手伝ってくれるしな、むしろ有難いわ」
rbr「え？全然。いつも周りに気にかけてるし、すごいなって思うよ」
kn「あいつほどオモロい奴はおらんやろ」
sha「めっちゃ優しいやん。なに？何かしたん？」
ht「いつも笑顔だしね。見ててこっちも笑顔になっちゃうよね」
zm「想像つかんことしてくるからめっちゃオモロいやん！」
em「元気な方ですよね。見てるとこちらも元気になります」
sn「あの子がいるとみんな笑顔になるよね」
syp「憧れの先輩やし、いつも良くしてくれるから全然そんなことは思わん」
ci「めっちゃ優しいし、色んなこと教えてくれるしそんなこと思わんな」

そして幹部は皆口を揃えてこう言うのだった。

「俺ら(僕ら)のこと家族やと思ってくれてるからな。そんな事は絶対にない」

全員そう言い切った。家族だからと。
そして、たまたま通りかかったグルッペンは笑いながら「幹部の事は家族だと思ってるからな。そんな事はしないゾ」と言い去っていった。