▶マッドスマイル (ページ18)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:32,339 hit

笑顔が17こページ18

やっとなれた幹部見習い。ここの幹部たちは顔が良く、俗に言うイケメンである。それでなくても、戦闘面が強いこともあり、男女問わず少しでも幹部たちとお近づきになりたいと夢見る者が軍内にも一定数いる。
添加物もその中の一人であった。添加物は戦闘能力は中の中。頭の回転も中の中。所謂平凡な兵士であった。しかし顔は多少整っていることから男ウケは良く、それは本人も自覚していた。
幹部に近づくためには、やはり幹部に近しい役職もしくは幹部になることが理想的である。そう考えた添加物は自分の部隊に留まらず、他の部隊も含めた班長や副班長に媚を売り、自分を幹部に推薦するよう仕掛けた。
そしてやっとの思いで幹部見習いになることができた。
しかし幹部見習いとなっても中々幹部たちとの溝は埋まらなかった。話しかけてはくれるが、やはりどこか一線を引いているように感じた。唯一の女性幹部であるA。Aは他の幹部たちと親しげに話している。何故？
ーーーそうか、自分以外に女性がいるから……Aがいるから私に幹部の目が向かないのか。だったら、Aを消せば良い。

Aは笑顔を重視しており、幹部や部下から聞いても、そのお人好しさはかなりのものだった。だから最初は面倒な書類仕事を押し付けた。何度も押し付けたが、Aは笑顔で引き受けていたので、彼女の頭のネジは余程足りないのだろうと思った。

そしてここ最近、書類仕事がほぼと言っていい程なくなった。理由について幹部たちにそれとなく聞いたが、書類が苦手だということで免除してくれているとのことだった。免除も嬉しいが、幹部たちが自分を甘やかしてくれていることが何よりも嬉しかった。
これでまた一歩幹部たちとの距離が縮まった。次は少し大胆に攻め、より一層Aから居場所を奪い取るのが効果的だろうと添加物は考えた。

思い立ったら吉日、善は急げ。添加物はカッターを手に取りAの元へ向かう。
Aの自室へ向かうと、ニコニコと紅茶を啜るAがいた。

ak「今はお一人ですか？」

笑顔が18こ→←笑顔が16こ