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Aのいう通りシャワーを浴びて、準備してくれていた朝ご飯を食べる。シャワー前に測った熱は37.1度の微熱で、これならいつも通りに動けそうだなと安心した。

 熱で味覚が鈍っているのか、少し味の薄い卵がゆを食べ終えてから仕事に行く準備をする。着替えを済ませ、今日撮影するシーンの台本を鞄に入れた時、もうすぐマンションに着くというマネージャーからの連絡が入った。

 部屋から出ると、チャイにご飯をやっているAと目が合う。昨日の夜の会話を思い出して、少し気まずくなった。


「……行ってくる」

「行ってらっしゃいです」


 小さい声になってしまった俺とは対照的に、Aはあっけらかんとしていた。止められるかと思ったけど、微熱まで下がったからか、それとも昨夜の言い合いで折れたのか。多分後者だろうな、と思いながら玄関に向かう。


「……倒れないようにしてくださいね」

「怒ってる?」

「怒ってないです」

「嘘っぽいんだよなぁ……」


 お見送りに、とチャイを抱っこして着いてきたAがそんな事を言った。靴を履いて振り向くと、何故だかちょっと困ったような、バツが悪そうな不思議な表情を浮かべたAが立っていた。


「……心配掛けてごめん。大丈夫だから」

「いえ。行ってらっしゃい」

「行ってきます」


 チャイとAに見送られて家を出る。スマホにはマネージャーからマンションの駐車場に着いたという連絡が入っていた。





 マネージャーの迎えの車に乗り込むと、「体調はどう?」と尋ねられた。


「え?」

「昨日聡から連絡があったから。勝利の体調があまり良くないみたいだって」

「聡くんから……」


 もちろん、俺は聡くんに連絡なんてしていない。昨日は一日中ドラマ撮影だったから、メンバーの誰にも会っていないし。

 となると。


「勝利?」

「あ、大丈夫。朝には下がってたし、怠さも無いよ」

「そう? なら良かった。でも、無理はするなよ。体調が悪いと思ったら言って」

「うん。分かった」


 マネージャーの言葉に返事をしている途中、手の中にあったスマホがチカチカと光った。ロック画面に増えていくLINEの通知は、Aからのメッセージだ。


A勝利

Aごめんなさい。昨日の夜、聡くんにだけ連絡しました

Aでもやっぱり私は、今日休んで欲しかったです

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設定タグ:SexyZone , 佐藤勝利   
作品ジャンル:恋愛
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ハル(プロフ) - あかねこさん» ありがとうございます(*'▽'*)読んでくださるの嬉しいです!頑張ります〜( ´ ▽ ` )ノ (2021年1月4日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
あかねこ - あ〜〜続きが気になりすぎる!更新頑張って下さい!待ってます。絶対読みます〜♪ (2020年12月29日 11時) (レス) id: 14cacb4dbc (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 駿さん» なんて嬉しいお言葉……!ありがとうございます(*'▽'*)これからもきゅんをお届け出来るように頑張ります( ´ ▽ ` )ノ (2020年12月28日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
駿(プロフ) - セクゾの小説でこんなにきゅんきゅんしたの初めてです(;_;)更新楽しみにしてます! (2020年12月28日 17時) (レス) id: c2f4c5f056 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 真緒さん» コメントありがとうございます(*'▽'*)好きと言っていただけるのとても嬉しいです…!これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2020年12月18日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年12月5日 0時

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