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勝利今日、仕事終わったら友達連れて帰るから
勝利聡くんと、あともう1人。Aに会いたいらしいから家で待ってて
突然、勝利からそんなメッセージが入ったのは19時を過ぎた頃だった。
卒論を進めていたのに、メッセージのせいで頭の中で組み立てていた文章は吹っ飛んだ。今日? ……え、今日? 本当に??
急すぎませんか。しかも、2人も。聡くんは会ったことあるけど、ちょっと身構えてしまう。
はぁ? と思わず漏れた声に、私の膝にも顎を乗せていたチャイちゃんが頭を上げた。なんでもないよと頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を瞑る。
『ご飯とか何も用意出来ませんよ』と送ると、『気にしなくて大丈夫。なんか頼むと思うから』とすぐに返事が来た。『普段通りにしてくれてたら良い』と追加でメッセージが送られてきたけれど、お客さんが来るのにのんびりなんて出来るはずもなく。
もう集中出来なくなった卒論から離れるため、パソコンを閉じる。帰ってから掃除機を掛けたカーペットにコロコロしたり、せめてお茶はすぐ出せるようにと湯のみを準備したり。
ソワソワしながら勝利の帰りを待っていると、20時半頃にピンポーン、とチャイムが鳴った。
・
「はぁい」
きっと勝利がお友達を連れて帰ってきたんだろう。そう思って、特にモニターも確認せずにガチャリとドアを開けた。
「初めまして! あなたがAさん?」
いつもより高い位置から降ってきた、少し舌足らずな楽しげな声。見上げると、ファッション誌から飛び出してきたような、シルバーの髪の綺麗な男の人が立っていた。
「僕はマリ、うぐっ!」
「もおおここで喋らずに中入ってよ!」
ポカン、と見上げるしかない私を気にせず自己紹介を始めた男の人は、後ろから伸びてきた手によってむぐむぐと喋れずにいた。両腕を伸ばして必死に口を塞いでいるのは勝利だ。
「A、早く中入って」
「あ、はい。おかえりなさい……」
「Aちゃんただいまー!」
しゅんとしながら中に入ると、勝利達も玄関の中に入ってきた。慣れた様子で鍵を掛けてくれた聡くんは、「久しぶりだねー!」と楽しそうだ。
「──ぷは! 勝利! 息出来ないんだけど!」
「マリウスがあんなとこで自己紹介するから止めてあげたんでしょうが!」
「だって僕Aさんと初めましてだもん!」
「関係ないから!」
「ハイハイごめんね」
「もー喧嘩しないの」
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ハル(プロフ) - あかねこさん» ありがとうございます(*'▽'*)読んでくださるの嬉しいです!頑張ります〜( ´ ▽ ` )ノ (2021年1月4日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
あかねこ - あ〜〜続きが気になりすぎる!更新頑張って下さい!待ってます。絶対読みます〜♪ (2020年12月29日 11時) (レス) id: 14cacb4dbc (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 駿さん» なんて嬉しいお言葉……!ありがとうございます(*'▽'*)これからもきゅんをお届け出来るように頑張ります( ´ ▽ ` )ノ (2020年12月28日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
駿(プロフ) - セクゾの小説でこんなにきゅんきゅんしたの初めてです(;_;)更新楽しみにしてます! (2020年12月28日 17時) (レス) id: c2f4c5f056 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 真緒さん» コメントありがとうございます(*'▽'*)好きと言っていただけるのとても嬉しいです…!これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2020年12月18日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
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