BD７７ ページ28
あービチョビョって和くんが着てたジャケットを私にかけてくれて。
和｢ちょっと待ってて、今のままじゃ悔しいから｣
｢……ぇ｣
和くんが遥ちゃんの前に立って。
和｢勘違いしてるみたいだから言っとくね？
Aに残業させてんの部長にもバレてるし、邪魔しようとしてんだったら逆効果ね？
あと……翔ちゃんの事｣
翔先輩の、こと？
和｢谷島が翔ちゃんを取って、フラれた可哀想なAなんかじゃないからね？
俺が翔ちゃんからAを奪ったの。一生幸せになれる保証付きで｣
ニコーって笑う和くんに止まったはずの涙がまた溢れ出して。
でもそれは、嬉し涙。
“一生幸せになれる”
和｢ーってことで、ワタクシ達はラブラブするんで帰りますー。｣
帰ろってニコって笑って私の手を引いて宴会会場を出てく。
外に止めてあった和くんの車の後部座席に座って肩を引き寄せられる。
｢和くん、ごめんね……｣
和｢ごめんねより、ありがとの方がいーな｣
｢うん……、ねぇ和くん。私の話聞いて欲しい｣
村上先輩から無理やりキスされたこと、それを遥ちゃんに見られて利用されたこと。
全部話した。
嫌われる覚悟で言ったのに、話し終わったらいつもの笑顔で。
和｢話してくれてありがと｣
｢ごめんなさい、本当に｣
和｢Aは悪くない。そうでしょ？｣
胸がキューっとなって、思わず和くんの胸に顔を埋めた。
和｢あら、Aからギューするの珍し｣
｢……好きだなって｣
聞こえないくらいの声でちっちゃく呟いて
和｢聞こえなかったもーいっかい言って？好きって｣
｢聞こえてんじゃん｣
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作者名：ハチミツ
| 作成日時：2019年6月8日 0時
