当日 ページ5
あれからあっという間に一週間たって当日になった
その夜、綾が私のスマホを使ってマツパとか眉毛サロンにネイルサロンや美容室まで予約して
しかもちょっといい所を予約して行ったり化粧をやってもらったりいつもと違う化粧や服だったり
して凄く戸惑ったけど何だかんだ楽しんでいる自分がいた
違う自分に変身できる楽しみなのかそれとも何だかんだライブに行くのが楽しみなのか
そのライブ当日は朝からたたき起こされて今私の部屋で化粧や髪のセットとかをしてもらってる
「こんな朝早くから準備する必要とかあるの？まだ眠いんだけど」
綾「推しの準備は朝早くから、これ鉄則ね」
「そうなの？知らなかった」
綾「知らないのはまずいよ、推しがいる人間にとっては常識」
「常識なんだね、私、今も推しがいないからわからないや」
そう言うと綾は化粧をしている手を止めて少し引いたような表情になった
綾「一回もいたことが無いの？」
私はむっとした表情になった
「悪いの？」
綾「悪いって事じゃないけど、人間には特に女の子なんだけど絶対にいたことはあるはずじゃん
うちはちっちゃい頃から嵐の松潤が好きやったし今なら四千頭身のばしくんが好きだから
昨日のKOUGU維新の紙やすり君を現地で見たかったなぁ〜」
「ばしくん？紙やすり？何それ」
私がそう言ったら綾は筆をおいて私のスマホを奪い取って見せてきた
綾「これがばし君で、これが紙やすり」
「へー綾、こんなタイプが好きなんだ」
綾「そうなの！可愛らしいんだけど細マッチョで男らしいの！！」
「そ、そうなんだ」
私は綾のこの勢いに引くと綾は私にスマホを返して再び筆を持ってアイシャドウをまた塗り始めた
「なんか化粧濃くない？」
綾「いいの！いつものAの化粧は薄すぎるぐらいなんだから」
「だって、髪だって服だって私があんまり着ないジャンルじゃん」
綾「私で出会った時から思ってたんだけどAは可愛い系も似合うけど少し露出している服も
似合うと思ってさ」
「だから綾の服貸してくれたのね」
綾「どう？来て見て」
「凄く寒いわ、冬なのに肩なんか出したら風邪ひくって」
綾「いいのいいの！お洒落ってのは我慢するもんなんだから」
「そんなの聞いたことないわよ」
綾「もう！ほらあと少しで終わるから」
「わかった」
しばらく目を瞑っていると
綾「完成！どう鏡で見てみてよ」
私は全身鏡で見た、そこにはいつもの私じゃなかった
「誰なの、これ」
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作者名：リンさん | 作成日時：2022年10月30日 23時
