46◇初めての抵抗◇ ページ1
毎日、顔を合わせるお兄は
何も変わらずで
潤は会わなさすぎてわからない
だからといって聞く勇気はない
気晴らしにお出掛けしたいのに
なっちゃんは帰省中だし
お母さんは２日後に迫った
真ん中バースデーの準備で忙しそう
「宿題でもするか…」
こんな時も、すぐ潤に連絡してたのに
今年はそれすらもできない…
だけど、たった一言
潤翔パパに許可もらったから、今日の夜、海行かない?
潤からのお誘いで、気分はワクワクに変わった
Aいいよ!ちょうど、気分転換にどこか行きたかったの!
潤迎えに行く時に連絡する
休憩中だったのか
感情があまり読めないメッセージだったけど
“潤からメッセージが来た！”
ってだけで、嬉しくなる
これは…潤が特別だから？
晩ごはんを食べ終わる頃
ピーンポーン
潤今から、そっち行く
メッセージと同時にチャイムが鳴って
私が出ようとしたらお父さんが席を立った
「ふはは、潤よろしく頼む」
玄関から豪快な笑い声が聞こえてきた
「笑ってたけど何を話してたの？」
「内緒。ほらA、潤が待ってるから早くしなさい」
お父さんに言われて慌てて支度をした
「ごめん、待たせちゃったね」
『全然、行こうか』
「今日は自転車じゃないの？」
『歩いた方が、ゆっくり話せるかなぁ…って』
並んで歩いて着いた海は
月の光でキラキラ光ってて綺麗だった
でも、気になったのは
潤に元気がないことで
だけど話していくうちに、わかったんだ…
どうして海だったの？って聞いたら
明日、誕生日でしょ、って
プレゼントをくれた
女子に人気のブランドのショップ袋
でも…
なんで今日なの？
なんで当日じゃないの？
そしたら…
“合宿なんだ”って…
真ん中バースデーも来れないって…
バスケットが悪い訳じゃないし
潤が悪い訳でもない
だけど、今まで当たり前だったことが
当たり前じゃなくなって
少し拗ねてしまった
そんな自分にイライラして
帰りは並んで歩けなかった
せっかく確認しようと思ってた
大野さんとの事も聞けなかった
家に着いてすぐ机に向かった
イライラを宿題にぶつけたら
すごく集中してたみたいで
ほぼ、終わった
時計を見ると日付が変わる一分前
長い針と短い針が重なった瞬間
♪ピコン
画面を見なくても誰から分かる…
だけど今はその名前を見たくなくて
開かずにそのままにしておいた
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作者名：二葉(ふたば) | 作成日時：2019年5月31日 12時
