【REBORN】もしも。2【獄寺隼人成り代わり】 (ページ28)

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七十三話ページ28

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「ご、獄寺さん！…っ間に合うかな!?」

『このペースで走れば問題ない。恐らく、2、3分前に着く』

「それってギリギリじゃん！急がないと…！」

次の日の朝、僕と綱吉君は通学路を走っていた。

例によって例の如く朝寝坊してしまった綱吉君を待っていたら、遅刻してしまいそうになったのだ。

ポロシャツのボタンを閉めながら走り出した綱吉君は、いつになく速いスピードで足を動かしている。

沢田綱吉というキャラクターのスピードがどれ程のものかは分からないが、このスピードはやはり普通以上だろう。

急ぐ綱吉君の気配を後ろに感じながら、僕は昨日交わしたスクアーロとの会話を思い出していた。

＊＊＊

「なっ……んだとぉ!?どういうことだぁ！」

僕の発言に対して声を荒げたスクアーロ。
動揺したのか驚いたのか、バンッと机を叩いて立ち上がったような音がした。

僕は耳元でなり響いた叫び声に顔をしかめつつ、スクアーロを宥めた。

『どうも何も、そのままの意味だよ。僕以外に生まれ変わった人間がいる。

……可能性とは言っても少なくとも、一人は確実だ』

もしかしたら、数人いるかも知れない。

そう暗に告げると、スクアーロは暫く沈黙した後、声を沈めて聞いてきた。

「詳しく話をきかせろ」

僕は日本に来てからの数日の体験と、そこから導き出される推察を話した。

「うお"ぉい……まさか、そんな」

僕の考えを聞いたスクアーロは呆気にとられていたようだが、直ぐにとりなおし僕に言った。

「分かった。また詳しく分かったら連絡しろ」

＊＊＊

ギリギリ間に合った僕らは、校門に立っている風紀委員を横に見ながら校舎に向かって歩き出した。

「はぁ～あ。獄寺さんって、体力あるねー。あれだけ走って息ひとつ乱さないなんてさ」

『別に。綱吉君こそ、体力あるじゃないか。あのスピードであれだけ走れるなんて』

「オレは……まぁ、小さいときから鍛えてるから」

知ってるよ。資料に書いてあった。

三歳ごろ、まともに歩いたり走ったり出来るようになってから、鍛え出したんだってね。

随分早い成長じゃないか。

(…僕は君が、前世の記憶を持っているんじゃないかって、疑っているんだよ)

そんな風に僕が考えているなんて、僕に笑いかける君は考えてもないんだろうね。

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