過去と、秘密と、闇と、光と。 -２nd -

＃３８ ページ5

彩ｓｉｄｅ

『ありがとうございました。』


なぎなたのお稽古が終わり、帰路につく。



さすがは師範・・・・相変わらず強いなぁ。



ウォーミングアップに加え、基礎トレーニングのあと、３本、勝負をしたが、全敗。


自分でも以前よりは強くなったと思っていたが、やはり、師範にはまだまだ遠かった。


すっかり夜も更け、暗くなった道。


目立ちたくないからという、私のワガママで、私の数十メートル後を、


SPの人が２人ほど付いて来ている。



そういえば、明日は奈子に会いに行くんだった。
ちょっと遠回りになるけど、この時間なら、奈子が好きなドーナツ屋さんがまだ開いてる。
寄り道して帰ろう！



私はいつもなら真っ直ぐ行く道を、左折して、路地に入った。


その時。


ガシャン！


何かがフェンスに思いっきりぶつかるような、大きな音がした。


『何！？』


よく耳を澄ませば、同じ方向からまた似たような音が聞こえる。


気がつけば、考えるより先に、私はその音の方向へと走っていた。

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