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#45 ページ13

彩side

私はまっすぐに怜和くんを見つめた。


__________________________私の思いが届くように。



しばらくして、


私の思いが届いたのか、怜和くんは口を開いた。


「・・・・彩ちゃんのお父さんを殺したのは、、、、僕の父さんだよ。」


私は目を見開いた。


そして、何故か、涙がこぼれた。



あれ、私、なんで泣いて・・・・



「父さんは、お金の為だったけど、彩ちゃんのお父さんは、僕達の婚約を破棄しようとしたんだ。
・・・・僕もその場にいた。」


『・・・え・・・?』


私は言葉が出なかった。


だって、怜和くんが殺したんじゃないと、無関係だと、安心していたから。


「僕はその場にいたのにっ・・・!父さんを止めなかったんだ。
彩ちゃんを失うと思ったら、止めるべきだったのに、身体が動かなくて・・・・!
それで、、父さんに連れられて逃げた。」


しばしの沈黙。


私はもう、若武達がいることすら忘れ、ただ、呆然と怜央くんを見つめていた。


「僕はずっと彩ちゃんのところに戻りたかった。どんな顔して、なんて、分からなかったけど。
でもできなかった。だから、自分を正当化した。
きっと彩ちゃんも、お父さんは仕事ばっかだったんだ、だから僕といたんだ、
僕は何も悪くない、僕と彩ちゃんを引き離そうとしたほうが悪いんだって。」


自分の父親が、目の前で人を殺すなんて、


ただでさえ幼かった彼には、どんなに酷な光景だっただろう。


涙が溢れ、止まることのない怜和くん。


きっと、彼の時はその頃で止まってしまっているのだろうと、私は思った。


いつだったかな、私が転んで怪我をしたのに、怜和くんが大泣きで泣き止まなかったことがあった。


その時の幼い彼が、今の怜和くんのなかに、見えた気がした。


『・・・・ありがとう。』


私の小さな声に、怜和くんは顔を上げる。


きっと、今の私にできることは、すべきことは、精神的に幼い彼を責めることじゃない。


微笑んで、優しさで彼を包んであげることだ。


「、、なん、で、、?」


私は柔らかく微笑んだ。


『あなたは悪くない。私があなたの立場だったとしても、きっと、怖くて止められなかったと思う。
それどころか、今の怜和くんみたいに話すことすらもできなかったと思う。
でも、あなたは正直に話してくれた。それって、とても勇気のいることだよ?』


私は一息つき、心からそう思っていることが伝わるように、怜和くんを見つめた。


『・・・・だから、話してくれて、ありがとう。』

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むっちゃん - 最後の方は涙が出そうなほど感動しました!! (2021年11月26日 0時) (レス) @page26 id: fa31dfe0b6 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 完結おめでとう!!!!面白かったよ! (2021年11月7日 16時) (レス) @page26 id: a6b1297b7c (このIDを非表示/違反報告)
西浦香淋(プロフ) - とても面白いですね。 (2020年5月27日 20時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - お知らせ、悲しいけど、かんけつ、おめでとうございます。ほかの作品も、読んでみますね・・・。 (2020年5月26日 15時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
ラプンツェル - 完結おめでとうございます。楽しみに読ませていただいておりました!ここまでお疲れ様でした! (2019年9月26日 14時) (レス) id: 9f8b861307 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りぃな | 作成日時:2019年9月1日 20時

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