会社と病院 ページ40
「でっか……」
父さんってこんなところで働いてるんだ…
「初めて来たの？」
「お父さんとは…ろくに話したことすらなかったから……」
母さんから聞いてた。
大きい会社で遠いところにあるんだって。
いつかあなたも立派な会社に就職するのよって。
「裕翔、こっちだよ」
だいき兄ちゃんの手はいつも暖かい。
こーた兄ちゃんはいるだけで安心する。
2人が着いてきてくれてよかった。
大きなエレベーターに乗って外の人が見えなくなるくらいに高い所まで行く。
「…お待たせしました……」
こーた兄ちゃんがちょっと走っていってスーツを着た男の人と話してる。
あれは…父さん？
「……裕翔、なのか」
「…はい」
こんなに近くで見たのはいつ以来だろう。
うーんと小さい頃かな。
もしかしたら初めてかもしれない。
父さんはこんな声なんだ……
「…大事なく過ごしているか」
「…はい」
「そうか」
どうしよう。
何をどう話せばいいのかわからない。
ぱっと振り返ると頑張れとでも言いたそうな顔で兄ちゃん達が見守ってくれてる。
……頑張らなきゃ。
「…あの、お父さん……」
「なんだ」
「…お母さんは……」
「…アレなら今は病院だ。精神科の世話になっている」
苦々しく言う父さん。
「……案内しよう。話は母さんから聞きなさい」
無言で僕たちの来た道へ戻っていくのを追いかけた。
病院に着くまで僕たちの間に会話はなかった。
連れてこられたのはやっぱり大きな病院で。
ここに母さんがいる、そう思うと体が少し震えた。
「…この個室だ」
父さんが開けてくれたドアの向こうはだいぶ広い部屋。
そして一つだけ置いてあるベッド。
父さんの方を見ると中に入るように促された。
「…お母、さん…？」
「……だぁれ？」
「…裕翔、だよ。お母さん……」
昔みたいな怖さがない。
どこかふわふわしていて…僕の知ってる母さんではなかった。
「…裕翔……？どちらさま？」
僕を…覚えてない？
なんで？僕が母さんの望む子じゃないから？
もう僕はいらないの？
いらないから忘れたの？
「…裕翔、すまない。一度出よう」
父さんに手を引かれて部屋から出た。
「アレは…お前が保護されてからしばらくは正常だったんだが……
警察の世話になっているうちに精神で病んでしまっていたらしい。
いや、すでに病んでいたのが崩壊したんだ」
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るち(プロフ) - 離音さん» お返事遅くなり申し訳ございません。貴重なご意見ありがとうございます。前向きに検討しようと思いますので今しばらくお待ちくださいませ (2021年2月3日 10時) (
レス) id: b87c1b1bc7 (このIDを非表示/違反報告)
離音(プロフ) - 続編見たいです！このお話大好きで、…とっても面白かったので^ ^でも、あくまで個人の意見なので…作者さまがやりたいと思ったらやればいいと思いますけど^ ^（上から目線ですみませんm(_ _)m） (2021年1月14日 17時) (レス) id: 1c102abba4 (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 愛ingJUMPさん» 裏で引っかかったことないんですけど……（笑）とりあえずそれを消して解除申請するしかないですね…… (2019年9月26日 6時) (レス) id: f268181383 (このIDを非表示/違反報告)
愛ingJUMP(プロフ) - るちさん» ねね、Rの解除ってどやってするん？（悟って笑）裏って言葉が原因ワードらしいけど裏って言葉を言い換えるにもわからんし…って迷っどったとこ笑 とりあえず更新だけしてる笑 (2019年9月25日 22時) (レス) id: 821ef3672a (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 愛ingJUMPさん» わー！お久しぶりです〜！もちろん覚えてますよ（笑）こちらこそこれからもよろしくお願いします！！ (2019年9月25日 20時) (レス) id: f268181383 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るち | 作成日時：2019年9月8日 14時
