･ ページ31
涙に滲む視界で頑張って彼らを見ようとしても
続けざまに腹に蹴りが飛んでくるせいで
一向に視界が晴れない。
『あの子はなぁ、お前みたいなガキが
近づいていい子じゃないんだよ！』
『だからこれは俺らに許可を取らずに
あの子と仲良くしていた罰だぞ？』
『いいゲームだろ？ルールは簡単、
俺らが飽きるまでに気絶したらお前の負け』
『はい、ゲームスタート！』
ゲーム、なんて名前のただの暴力。
お隣の女の子が好きだったらしい
お兄さんたちからの嫌がらせだった。
俺は必死に耐えた。
それでも体の大きさも力も全く違う相手に
一方的に攻撃されていつまでも
耐えていられるわけなどなく、呆気なく
意識を失っていた。
『大貴くん、その怪我どうしたの？大丈夫？』
『…な、なんでもない！』
翌週、引っ越しの挨拶に来た彼女を
跳ね除けるように俺は走った。
お兄さんたちの前であの子と話したら……
そう考えるとどうしようもなかった。
『大貴、唯一の味方がいなくなって残念だったなぁ』
『もうお前は1人ぼっちだ』
嘲笑う声が突き刺さった。
俺はその日からずっと下を向いて過ごしていた。
そんなある日、ある変化が起こった。
3年生も終わりを迎えたころ、
俺よりだいぶ年上のお兄さんたちは
高校や中学でのストレスとやらを
俺にぶつけてくるようになった。
小さな体はいつの間にか赤黒い痣に染まっていた。
それでもチビたちの世話をするときには
笑顔でいなきゃいけない。
鬼ごっこにかくれんぼ、ときにはヒーローごっこで
怪獣役をしてやる事もあった。
傷跡の上をポカポカ叩かれても
ちゃんと演じ切らなきゃいけない。
辛かった。
どこでも発散出来なかった。
『おい大貴、ちょっと来いよ』
そんなありふれた言葉でいつも通り
お兄さんの部屋に呼び出された。
『お前って本当に女みたいな見た目してるよな』
『チビだし、髪もふわふわしてるし、
女みたいな顔してるし、マジ女かよ』
『女じゃない……僕は男だよ』
『その顔でよく言うよな』
殴られない……
今日は本当に雑談だけ？
油断していたのが悪かった。
急に床に投げ倒されて、俺の上に1人の
お兄さんが乗ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るち(プロフ) - 離音さん» お返事遅くなり申し訳ございません。貴重なご意見ありがとうございます。前向きに検討しようと思いますので今しばらくお待ちくださいませ (2021年2月3日 10時) (
レス) id: b87c1b1bc7 (このIDを非表示/違反報告)
離音(プロフ) - 続編見たいです！このお話大好きで、…とっても面白かったので^ ^でも、あくまで個人の意見なので…作者さまがやりたいと思ったらやればいいと思いますけど^ ^（上から目線ですみませんm(_ _)m） (2021年1月14日 17時) (レス) id: 1c102abba4 (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 愛ingJUMPさん» 裏で引っかかったことないんですけど……（笑）とりあえずそれを消して解除申請するしかないですね…… (2019年9月26日 6時) (レス) id: f268181383 (このIDを非表示/違反報告)
愛ingJUMP(プロフ) - るちさん» ねね、Rの解除ってどやってするん？（悟って笑）裏って言葉が原因ワードらしいけど裏って言葉を言い換えるにもわからんし…って迷っどったとこ笑 とりあえず更新だけしてる笑 (2019年9月25日 22時) (レス) id: 821ef3672a (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 愛ingJUMPさん» わー！お久しぶりです〜！もちろん覚えてますよ（笑）こちらこそこれからもよろしくお願いします！！ (2019年9月25日 20時) (レス) id: f268181383 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るち | 作成日時：2019年9月8日 14時
