日常の作り方 (ページ1)

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入学式ページ1

「兄ちゃん早く！！遅刻しちゃうよぉ」

「あ～ごめんごめん」

今日は待ちに待った中学校の入学式！！

僕たち4人はみんなでお揃いの制服を着て同じ学校に通うんだ。

それなのに、兄ちゃんたちはスーツを着るのに手間取ってなかなか出て来ない。

全く、僕たちが遅刻したらどうするんだか……

「はいはい、お待たせ～。じゃ、行こっか」

いつもとは違うカッチリとしたスーツを着た兄ちゃんたちはかっこいい。

さすが僕たちの自慢の兄ちゃん！

「裕翔たちももう学校に行く年齢になったんだな……」

「僕たちが昼間いないと寂しい？」

「寂しいに決まってるだろ」

「ひかる兄ちゃんも？」

「当たり前だ」

冗談のつもりで聞いたのに結構真剣な顔して頷かれちゃったからなんかからかいにくいじゃんか。

「涼介、大事なのは第一印象だからな？元気に挨拶するんだぞ」

「…僕、できるかなぁ……あんまり同い年の子と一緒にいたことないし…」

「大丈夫だよ、涼介ならきっとできる」

「涼介、強いて言うなら大ちゃんみたいに無駄に大きな声出してみんなを驚かせないようにね」

「ちょっ、慧！余計なこと言うなよ！」

「だいきにぃ、そんなことしたの…？」

「あーもう、慧のせいで侑李に引かれただろ！」

「侑李ぃ…侑李はいつも通りにしていればいいからね。きっと学校は楽しいから」

「…ありがとう、けいにぃ」

「涼介もきっとみんなと仲良くできるから、リラックスするんだよ」

「うん！ありがとう」

ふふ、だいき兄ちゃんってばけい兄ちゃんにいいとこ取りされて落ち込んでるじゃん。

けい兄ちゃんはだいき兄ちゃんをからかうのが楽しいみたいでいつも絡んでる。

それをほのぼのと見つめてるゆーりは本当に可愛い。

りょーちゃんはオロオロしてるけどね。

「圭人は大丈夫か？学校、不安じゃない？」

「ん～……思ってたより大丈夫かも」

「よかった…おばあちゃんのところに通ってるうちに圭人はだいぶ強くなったな」

「ほんと！？けーとね、いつかゆーやお兄ちゃんみたいなかっこいいお兄さんになるのが夢なんだ！」

「圭人ならなれるよ、俺なんかより全然かっこいい男に」

ゆーや兄ちゃんの言う通り、けーとは確かに強くなった。

前よりも頼もしいし、逞しい。

泣き虫なところは変わらないけど、そんなところも僕は大好き。

ああ嬉しいな、4人で同じ学校に通えるんだ。

この4人ならきっとなんでもできる。

なぜかそんな気がするんだ。