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19話 ページ19

翌朝、俺は何事も無かったかのようにいつも通りに圭人と、途中で合流する大ちゃんと、3人で登校した。

たった一つ、違うことは俺の目元。

メガネは壊れちゃったし、前髪だけで俺を世界から切り離す。

でも今日から、部活のときは前髪を上げようと思う。

もし絡まれてももう逃げたくないから。

怖いけど、俺だってもう戦えるはずだから。

「山田、有岡、岡本。3人とも職員室に来るように」

担任の先生はそれだけ言ってどこかへ消えてしまって。

「職員室?なんでだろ…」

「とりあえず行こうぜ」

迷いながらたどり着くと今1番会いたくて会いたくなかった伊野尾先輩が退屈そうに立っていて。

俺たちに気づいたと思うと一気に明るい顔で手を振ってくる。

「あ、3人ともおはよ〜」

「いのちゃん先輩!」

「おはようございます、いのちゃん先輩」

「……山田、もう平気なの?」

「…はい、昨日はありがとうございました」

「お前ら4人全員揃ったか」

サッカー部の顧問の先生。

このメンツに対してこの先生が来るってことは…昨日の話なんだろう。

「まずは…山田、あれから大丈夫だったか?」

「はい。先輩と圭人のおかげで…」

「味澤たちには謹慎処分が出た。サッカー部もこのまま自主退部をするように勧めている」

謹慎……退部……

どれも想像もしたことない言葉だったからどこか遠い存在な気がしてた。

「それでだ、1年キャプテンがいなくなるわけだが……有岡、やってくれないか?」

「え、俺っすか!?」

「お前が1番適任だと思う。誰とでも仲良くできるし実力もある。それに周りをよく見ているしな」

「ありがとうございます…精一杯務めます」

「おめでとう大ちゃん!頑張れよ!」

「それから、有岡と伊野尾。2人の判断はとてもよかった。証拠が残ってなければここまで踏み切ることは難しかったし、場所的にも気づかずに終わったかもしれなかった」

そうだ、確かにあの場所は人目に付きにくい場所で。

助けなんて絶対来ないと思ってた。

「岡本、お前には個人的な頼みだ。山田を、助けてやってくれ」

「先生……」

「もちろんです、幼なじみですから」

「ありがとう。以上で話は終わりだ。わざわざ呼び出してすまなかったな。帰ってよし」

「失礼します!」

「…山田、今度話をしようよ。休みの日にでも」

「はい……俺も、同じこと言おうと思ってました」

「聞かせてね、山田の話。何がお前をそこまで苦しめるのか……」

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作者名:るち | 作成日時:2021年1月12日 11時

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